デンソー、富士通、トヨタ自動車は、高度運転支援・自動運転技術と電子基盤技術の開発を強化するため、3社が出資する富士通テンの資本構成変更を検討することで基本合意した。
富士通テンの出資構成は現在、富士通が55%出資する筆頭株主で、トヨタが35%、デンソーが10%となっている、これを、デンソーが51%出資する筆頭株主となり、トヨタが35%、富士通が14%に出資比率を引き下げる予定。
今後、具体的な検討を進め、2016年度内を目途に最終合意を目指す。
自動運転技術が急速に進化する中で、「コネクテッドカー」が重要となっている。こうした中、デンソーは、富士通テンをグループ会社とし、両社の持つ車載ECU(電子制御ユニット)やミリ波レーダー、高度運転支援・自動運転技術、電子基盤技術の開発などにおける、協力関係の強化を図っていくため、具体的な検討を行うことで、富士通、トヨタと合意した。
富士通テンは、1920年に創立した川西機械製作所に始まり、1949年に設立された神戸工業を前身とする。1968年に富士通と合併した後、1972年に富士通のラジオ部門が分離・独立して富士通テンが設立された。1973年にトヨタ、デンソーが資本参加して以来、カーエレクトロニクスメーカーとして様々な製品、サービスを提供している。
富士通テンは、総合自動車部品メーカーであるデンソーグループの一員として、両社の強みを活かすとともに、富士通グループとの間でICT分野での連携を推進する。これによって高度運転支援・自動運転技術、電子基盤技術の開発を強化し、「つながる車載情報機器・サービスを提供・
提案するシステムメーカー」を目指す。
富士通は、コネクテッドカーや自動運転など、次世代の自動車においてICTの重要性が高まっていると認識、デンソー、富士通テンと連携して自動車ビジネスやモビリティIoTビジネスの強化を図る。
また、トヨタは、引き続き富士通テンの主要株主として、富士通テンの企業価値の向上を支援する。