【プジョー 308 ディーゼル 試乗】女性の運転にピッタリなディーゼルなんです…竹岡圭

試乗記 輸入車
プジョー 308GT BlueHDi
プジョー 308GT BlueHDi 全 7 枚 拡大写真

「High pressure Direct injection」つまり高圧噴射なわけですが、プジョーのディーゼルエンジンモデルには、Blue HDiという名前がつけられています。もちろんこれは、プジョーのディーゼルエンジンは、高圧噴射ノズルを使ってクリーンに燃やしていますよ~というアピールはわけですが、実はプジョーのディーゼルエンジンの最大の特徴はAdBlue(尿素水溶液)を使っていることにあると思うんですよね。

実はコンパクトカーに搭載されるディーゼルエンジンは、AdBlueを使っていないものが多かったりします。それはそれで素晴らしいことだと思うのですが、AdBlueを使うとディーゼルエンジン特有の後処理、つまりNoxやPMの処理がものすごーくラクになるんだとか。

さらにプジョーのディーゼルエンジンは、DPF(微粒子フィルター)の前にSCR(選択還元触媒)を付けて、そこに直接AdBlueを噴射する方式を取っているため、PMを99.9%除去できるというのが特徴なんですよね。

つまりAdBlueを使わないと、パワー面とか快適面とかエンジンを効率よく回すためにガマンしなければならないところが出てくるのを、AdBlueを使うことでエンジンの魅力は最大限に引き出して、最高の環境面と両立させているってわけなんです。

でもAdBlueを使うとそれだけコストも上がるのは言うまでもないこと。でもコンパクトカーだから価格はそれほど上げられない。しかも今回ガソリン車との価格差が約20万円~という驚きの低価格で出てきたわけで、エコカー減税の恩恵も加えると、1年1万km走行する方で約2回の車検で元が取れちゃう。しかもその間、快適に走れると、結構いいことづくめなんですよね~。

さらに、ディーゼルエンジンって欧州ではスポーティグレードに位置することもあり、ついついその元気よく走る側面ばかりに目が向いてしまいがちですが、実はゆったりとラクに走れるという魅力が大きいんですよ。

実際今回のディーゼルエンジンモデルは、1.6リットルも2リットルも超勢いよく走りますよ~的な感じではなく、どちらかというと実用的なゆとりある走りに重きを置いているフィーリングなので、女性の方にもピッタリだと思うんですね。

というのも、女性の方はアクセルペダルをずっと一定の力で踏み続けるのが苦手という方が多いんです。ディーゼルエンジンモデルはゆとりのトルクでジワリジワリと、いい意味でラフに走らせることができるので、ちょっと気を抜いていてもしっかりと走れちゃう。いつの間にか速度が落ちていて周りの方に迷惑を掛けるということが少ないんです。

しかも308は小径ステアリングと絶妙なメーター配置で、小柄な方でも適切なドライビングポジションを取りやすい。まさに女性にピッタリな1台と言ってもいいのではないでしょうか。

個人的には軽快さが際立つ1.6リットルモデルが好み。気持ちイイ毎日の足として、活躍してくれること請け合いです。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

竹岡圭|モータージャーナリスト・タレント
「クルマ&カーライフは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走っ て」を実践する女性モータージャーナリストとしてカーライフ全般を女性の視点からレポートする。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々 のレースに参戦するなど、硬軟幅広く携わる。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)理事、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《竹岡圭》

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