小林可夢偉とN.カーティケヤンを擁し「全日本スーパーフォーミュラ選手権」(SF)を戦っているチームルマンに、今週末(24~25日)のスポーツランドSUGO戦で頼もしい援軍が加わることになった。GT500で監督を務めている脇阪寿一が、SFにもヘッドコーチとして参画する。
昨季限りでSUPER GTシリーズ/GT500クラスの現役から退いた脇阪は、今季は自身がGT500初タイトルを獲得した時の古巣でもあるチームルマンにGT500の監督として加入。今季ここまで勝ちこそないが、安定した成績で大嶋和也&A.カルダレッリ組がシリーズランク5位につける活躍を後押ししている。
しかしチームルマンの活動の両輪、そのもう一方であるSFに関しては今季苦戦が続いていた。2レース制だった前戦の第5戦岡山のレース1でカーティケヤンがチーム今季初表彰台となる3位を獲得し、ようやく上昇ムードに乗ろうかというところで、こちらにも脇阪の力を借りることとなったのだ。
脇阪は現役時代、SFが前身シリーズ名のフォーミュラ・ニッポンだった頃に通算5勝を記録している。しかもそのうち4勝(01~03年)がチームルマン陣営であげたもの。
もちろん時代は変わったが、日本のトップフォーミュラを戦うということの根幹の部分は変わらない。なにより今季、GT500でチームメンバーと一緒にいい戦いをしている脇阪だけに、SFでの浮上にも大きな貢献を果たすことができそうだ。特に今季は未だ無得点という流れの良くないなかにいる可夢偉には、脇阪コーチの存在が大きな助けとなることだろう。
予選前日の23日、宮城県にあるスポーツランドSUGOで全陣営参加の練習走行をチームとともに戦った脇阪は、今回の急遽の要請の前に決まっていた24日のイベントに参加するため、東京へ。再びSUGOに舞い戻って、決勝日の25日に戦線復帰する。強行スケジュールだが、それでもチームのために最大限の働きをする構えだ。
頼もしき援軍を得ての可夢偉の逆襲に期待がかかるSF第6戦SUGOは、24日に公式予選、そして25日に決勝レース(1レース制)が実施される。まだ2勝した者がいない混戦の今季、最終戦を前に誰がチャンピオン争いのイニシアチブを握るのかも大きな焦点だ。