【ジャガー F-PACE 試乗】ジャガーが作るとSUVもスポーツカーになる…松下宏

試乗記 輸入車
ジャガー F-PACE
ジャガー F-PACE 全 34 枚 拡大写真

ジャガーとして初めてのSUVとなる『F-PACE(Fペイス)』は、いかにもジャガーらしくスポーティな走りのSUVに仕上がっていた。

外観デザインも普通のSUVとはひと味違う。いわゆるグリーンハウスが小さく作られていて、いかにもスポーティな雰囲気が演出されている。安定感のあるロアボディとスポーティなアッパーボディをうまく組み合わせたデザインだ。

ボディサイドのパネルは十分な厚みがあるが、ボディの下部には抑揚のあるデザインが採用され、その陰影によってボディの厚みを感じさせないようデザインされている。

インテリアは質感はもちろんのこと、居住空間の広さや十分なラゲッジスペースなどが特筆される。大人5人がゆったり乗れる室内空間と、508リットルの容量を持つラゲッジスペースは、Fペイスの実用性の高さを示すものでもある。

ボディは全体の80%にアルミが使われ、大型のSUVモデルながら比較的軽い車両重量を実現している。といってもほぼ2トンの車両重量があるので、絶対的にはそう軽いクルマではない。

搭載エンジンはガソリンとディーゼルの2機種。ディーゼル車の「20dプレステージ」に搭載される直列4気筒2.0リットルのコモンレール直噴ターボ仕様エンジンは、ジャガー『XE』などにも搭載されているもので132kW/430Nmのパワー&トルクを発生する。

セダンのXEに比べSUVボディのFペイスはざっと250kg以上も重い。でも実際に運転してみると意外なくらいの軽快さがあり、重さのネガはさして感じなかった。これはギア比がややローギアード化されていることも関係している。

ガソリン車の「35t Rスポーツ」にはV型6気筒3.0リットルのDOHC+スーパーチャージャー仕様が搭載され、250kW/450Nmのパワー&トルクを発生する。ディーゼル車との動力性能の違いは明確で、ガソリン車は豪快な走りが可能である。ジャガーらしいスポーティな走りという点ではガソリン車が上位にくる。

Fペイスの走りがジャガーらしいのは、コーナーでの操縦安定性の高さだ。ほとんどロールを感じさせずに安定した姿勢でコーナーを抜けていく様子は、SUVというよりもスポーツカーのものである。ジャガーが作るとSUVもスポーツカーになるということだ。タイヤもコンチのスポコン5を履いていた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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