BMWジャパンは航続距離を大幅に拡大した『i3』を10月1日より発売する。価格は従来と同じ499万円から。
i3が市場導入され2年が経過した。電気自動車を市場に普及させていくための課題について同社BMWブランド・マネジメントプロダクト・マーケティングの生野逸臣氏は、「航続距離の拡大、充電インフラの充実、ガソリン車により近い車両価格にすることが課題で、新型i3では3つに挑戦した」と述べる。
航続距離拡大は、新開発の大容量バッテリーを搭載したことで実現。エネルギー密度を高めることでバッテリーサイズを変えることなく33kWhの容量を達成した、新開発リチウムイオンバッテリーを搭載。室内スペースを犠牲にすることなく、一度の充電での航続距離を従来モデルの229kmから390kmへと70%拡大した。レンジエクステンダーモデルは120km航続距離をプラスできるので、510kmとなり、「東京出発点とした場合に大阪の509kmに相当する距離だ」と生野氏。
充電インフラの充実では、充電サービスの無償提供が挙げられた。BMWが提供する公共充電サービス「ChargeNow」が日本に導入され、新型BMW i3では、12カ月間無償で利用できる権利が付帯される。ChargeNowは提携パートナーである日本充電サービスの充電ネットワークが利用でき、全国で約 1万4000基の充電ステーションが利用可能だ。「これにより、ドライバーは安心して長距離ドライブに行け、また、マンション等に住んでいて、自宅に充電設備がないユーザーでも安心して電気自動車に乗ってもらうことができるようになる」という。
同時にサービス面も充実された。3年分の法定点検や消耗品の交換を含んだメンテナンスパッケージに、タイヤ補償とキー補償を加えた、BMWサービスインクルーシブプラスを標準で付帯。「追加費用をかけずに車両を点検しベストコンディションを維持できるので、トラブルの心配もより少なくなる。そして万が一のパンクや、キーの紛失の場合でも補償されるので、二重の意味で安心して乗ることができるだろう」と述べる。
車両本体価格については、インテリアの種類とレンジエクステンダーのありなしで合計6モデルのラインナップ。エントリーモデルとなる「ATELIER」のレンジエクステンダーなしモデルでは、一部装備を変更してはいるが499万円と、これまでのBMW i3と全く同じ価格で提供される。そしてCEV補助金の対象なので、新型BMWi3では、最大36万5000円の補助金(前モデルは最大23万9000円)が受けられるので、実質的には462万5000円からとなり、「これまでの i3よりも安い値段で購入することができる」と語った。