埼玉の京急電車、古巣へ…保存先はみなとみらいの新本社ビルか

鉄道 企業動向
「京浜急行電鉄 デハ230形記念車両 デハ236号」(埼玉県 青木町公園総合運動場)
「京浜急行電鉄 デハ230形記念車両 デハ236号」(埼玉県 青木町公園総合運動場) 全 7 枚 拡大写真

「7月1日から公募を実施していた京浜急行車両の譲渡先が決定しました」。埼玉県川口市は10月3日、青木町公園総合運動場に保存・展示されていた「京浜急行電鉄 デハ236号」の引取先を、古巣の京急に引き渡すと伝えた。本社の横浜移転にあわせて、赤い電車が“里帰り”。

川口市は、譲渡物件「京浜急行車両(デハ230形デハ236号)」について、応募団体「2団体」、譲渡先「京浜急行電鉄株式会社(東京都港区高輪2丁目20番20号)」、撤去期間「平成29年4月1日(土)~平成29年5月31日(水)」、決定の理由「京浜急行電鉄株式会社では、自社社有地に保存展示を予定していることから、譲渡にあたり、本市の希望する末長い保存と多くの方々への公開が可能と判断されたことによるものです」とだけ公示。

京急は、横浜市西区高島のみなとみらい21中央地区56-1街区に新たに「京急グループ本社ビル(仮称)」(地上15階・地下2階・塔屋1階)を準備中。2019年秋の稼働を目指し、グループ企業約10社(社員数約1200名)の本社機能を集約、業務効率向上を図る。

この新本社ビルは、創立120周年事業として1階に企業ミュージアムを併設する予定。「昭和初期に活躍した保存車両の展示する」ということから、2019年秋には、この横浜新社屋1階にデハ236号を置く可能性もある。

そのデハ236号は、来春の2か月間で、グランド脇に敷かれたわずか18メートルほどの線路から、30年以上の時を経てふたたび京急の線路上に戻る。その保存先が気になるが、いったん、鉄道車両全般の工事、定期検査、更新改造などを主事業とするグループ会社、京急ファインテック久里浜事業所に移され、ボロボロ車体の修繕が施されるか。

京急ファインテック久里浜事業所では大規模訓練も

川口市が「デハ236号を京急に渡す」と発表した翌日の4日、その京急ファインテック久里浜事業所で第35回 鉄道故復旧訓練が行われた。700人を超える参加があった今回は、「地震の影響で線路付近の工事現場から倒壊した足場や鋼材などに列車が接触、脱線。乗客に負傷者が発生し、線路・電気・通信設備が損壊する」という設定で、事故発生直後の併発事故防止や、負傷者の救助、乗客の避難誘導、脱線車両、線路、電気設備の復旧など、実物を用いて訓練。神奈川県警、横須賀市消防局なども参加し、情報共有も図った。

みなとみらい線 新高島駅の上に建つ京急の新本社ビル。1階に大規模ミュージアムを併設することから、すぐとなりに存在する日産グローバル本社ギャラリーと似たつくりになりそうだ。また、東京側の本社ビル付近に再開発の波が押し寄せ、保有路線の中間地点に本社を移したという点では、京成電鉄の本社移転と似たケース。京成の本社機能は、八幡駅前の7階建て新築ビルに移り、旧本社ビル周辺は、東京スカイツリータウンへと変貌。現在の京急本社ビルがあるエリアは、“品川再開発”に関係した動きが見え始めている。

《レスポンス編集部》

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