【ITS世界会議16】ドライバーが気を失った! そんな時でも安全に退避…アイシン

自動車 テクノロジー ITS
本会場から少し離れた「Albert Park Circuit」で開催されたアイシングループのデモ
本会場から少し離れた「Albert Park Circuit」で開催されたアイシングループのデモ 全 10 枚 拡大写真

アイシングループ3社は、オーストラリア・メルボルンで開催されているITS世界会議2015に出展。「夢を叶える未来のモビリティライフ」をコンセプトに、“社会とあなたをつなぐ”“乗る喜びを感じる”“あなたを見守る"の3つのうれしさを実現する製品や技術を紹介した。

注目だったのは展示会から少し離れた「Albert Park Circuit」で行われたデモだ。昨年に引き続いてトヨタ『プリウス』を4WSに改造した専用車を用意し、緊急時でも安全に退避して自動停止できるデモなど、アイシングループが考える自動運転へ向けた技術のデモが実施された。今年はF1レースの会場ともなっているこのコースで、昨年のボルドーで実施されたデモよりも長い距離で速度域を上げて体験できるようになっていた。

デモカーにはドライバーをモニターするための赤外線センサーがダッシュボード内に組み込まれ、自動ブレーキをコントロールするESC、オートパーキングを実現するパーキングアシスト システムによってコントロール。この車両を使い、デモは大きく「ドライバー異常時対応システム」「リモコン駐車」の二つが実施された。

「ドライバー異常時対応システム」では、これまでの車内カメラでドライバーの状況を検知して車両を路肩へ安全に退避させる機能に加え、新たにダイナミックマップに相当する詳細な地図データを準備。ドライバーのボタン操作で、障害物があった際でも車線情報や工事情報を認識しつつ安全な場所を探して車両を停車できる。

デモがスタートするとまず赤外線センサーによる目や鼻、口などの配置を元にした個人認証が行い、それが終了するとデモに移る。センサーは瞼や顔の向きを認識して運転手が運転不能状態に陥ったことを検知。EPSによって安全な路肩に車を寄せて自動停止する。

運転手が気絶状態になった際は車内にはアラームが鳴り響き、モニター上にはウォーニングが映し出される。音声による運転手への呼びかけも行われた。昨年よりも速度域が高くなったことで、退避時の動きはかなりドラスティックな動きを見せ、停止後は登録先へ自動通報も行われた。

デモカーを4WSとしている理由だが、ドライバーが気絶状態となってハンドルにもたれかかられるとハンドル操作が難しくなるための対応なのだという。前輪のコントロールが難しい時は後輪操舵で路肩へ寄せるためにも必要と考えているからだ。これまで4WSは走行性能を高めることに用いられてきたが、緊急時にも4WSが役立つという意味も持っているのだという。

「リモコン駐車」は基本的にはすでに実用化されているパーキングアシストの技術をベースに開発された、これまでの仕様に変更はない。人の乗り降りしにくい狭い場所でもスマートフォンからの操作で無人で駐車でき、そこから退出も可能だ。駐車前の停止位置はそれほどシビアに考えずとも駐車はできるそうで、センシングは白線や障害物を自動認証して行う。

システムを開発したアイシングループのアドヴィックス常務役員 井上弥住氏によれば「現システムは白線を認識するタイプだが、すでに空間認識によって駐車スペースを探す技術は実用化しており、それを活かしたシステムの展開も視野に入れている」とのことだった。

《会田肇》

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