三菱自動車は10月20日、日産自動車による出資が完了し、日産が筆頭株主になったと発表した。三菱自の益子修会長兼社長は同日都内で会見し、「日産ルノーアライアンスに全面的に参画することで、より選択と集中を進めることができる」と強調した。
益子会長は日産の資本受け入れに伴うシナジー効果として「生産では水島工場で日産からディファレンシャルギアの生産を受託し、当社の生産ラインの稼働率を向上させる。開発では技術競争で激化している自動運転分野における共同開発および今後より一層強化されていく各国の環境規制、安全法規対応に向けたプラットフォーム、パワートレインの共同開発などを行うことで大きなシナジーを見込んでいる。とくに当社のプラグインハイブリッド技術はアライアンス標準として日産とルノーで採用される」ことを明らかにした。
また海外での連携に関しては「私どもはインドネシアの新工場を建設中だが、来年10月から新型MPVの生産を始める。これについては日産自動車にOEM供給することで協議を進めている。日産はこの新型MPVをASEAN各国でも販売する計画で、三菱としては販売、生産台数を増やすことでインドネシアの事業性が大幅に良くなるとみている。また物流費低減についても世界各国で検討していて成果が期待できる」と説明した。