【新聞ウォッチ】「パリ協定」きょう発効、新たな温暖化対策出遅れた日本はどうする?

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パリ協定を締結・合意した第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21。2015年12月)の開会式。 (c) Getty Images
パリ協定を締結・合意した第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21。2015年12月)の開会式。 (c) Getty Images 全 1 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年11月4日付

●完全自動運転車20年代半ば、フォード、一般向け発売(読売・10面)

●名古屋無念初の降格、甘い監督人事あだ、Jリーグ(読売・19面)

●パリ協定きょう発効,温暖化対策、排出ゼロへ新ルール、日本、世界に逆行(朝日・1面)

●社説、リニア難関着工、村の不安を忘れるな(東京・5面)

●タイ渋滞、トヨタ流で軽減、現地法人など実験、時間差通勤を導入、信号操作も改善(東京・7面)

●米子会社破産法で調整、タカタ、再建へ債務確定、製品供給は継続(日経・1面)

●米、追加利上げ見送り、FOMC来月の可能性示唆(日経・1面)

●インド新工場を増設、スズキ、1000億円投資、新ライン19年稼働(日経・7面)

ひとくちコメント

2020年以降の地球温暖化対策を進める新たな国際的な枠組みの「パリ協定」が、きょう(日本時間4日午後)発効するという。

今世紀後半に世界の温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にし、世界の気温上昇を産業革命前から2度未満に抑える目標を掲げて、先進国ばかりでなく発展途上国を含むすべての国が、温暖化対策の目標を定めて温室効果ガスの削減に取り組むことになる。

きょうの朝日が1面トップで「パリ協定きょう発効、温暖化対策、排出ゼロへ新ルール」と大きく報じているが、各紙を比べてみると、掲載にも“温度差”があるようだ。

朝日同様に、1面とさらに「特集面」で「パリ協定発効何が変わる」と詳しく取り上げているのは日経で、毎日、産経などは総合面、読売は国際経済面で「パリ協定」の記事はわずか10行の目立たない扱いだ。

パリ協定は2015年12月に、世界197の国と地域が参加して、仏のパリで開かれた国連の会議「COP21」で採択され、温室効果ガスの削減に取り組む新しい国際的な枠組みだ。これまで批准したのは世界最大の排出国である中国のほか、米国や欧州連合(EU)、インド、ブラジル、メキシコなどで、94カ国・地域が批准しているという。

ただ、日本はパリ協定の発効時期を見誤り、批准へ向けた手続きが遅れたため、COP22の期間中に開く批准国による第1回締約国会議(CMA1)へはオブザーバー参加にとどまるという。政府としてはCOP22までに国会承認を終え、何とか体面を保ちたい考えだとしている。

きょうの朝日は「日本、世界に逆行」との解説で「日本政府や産業界は温暖化対策は経済成長を阻害するという意識にとらわれたままだ」として、「すでに、世界から相手にされなくなりつつある」と指摘している。

また、毎日もクローズアップのコーナーで「パリ協定日本見誤る」とのタイトルで「政権の関心の薄さは国内の温室効果ガス削減策にも影を落としている」と取り上げている。

自動車業界を長く取材していると、1997年に日本が議長国となって京都で開かれた京都会議で「京都議定書」をまとめた当時は,「ゼロ・エミッション」の目標を掲げた「究極のエコカー」の話題が目白押しだった。その後は環境性能技術の進化でエコカーの普及が加速しているのは確かだが、どうも最近は「自動運転」や「自動ブレーキ」といった安全対策関連の話題ばかりが目立つのは気のせいか……。

《福田俊之》

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