【トヨタ C-HR ハイブリッド プロトタイプ 試乗】ハイブリッド車への意識改革が必要だ…諸星陽一

試乗記 国産車
トヨタ C-HR G プロトタイプ
トヨタ C-HR G プロトタイプ 全 8 枚 拡大写真

プロトタイプの試乗会が行われたトヨタの新型SUV『C-HR』。日本仕様のC-HRは1.8リットルのハイブリッド(FF)と、1.2リットルのターボ(4WD)の2タイプ。試乗車はハイブリッドモデルだ。

C-HRはTNGAと言われるトヨタが進める新しいクルマ造りの手法を取り入れた第二弾のクルマ。第一弾は『プリウス』であった。C-HRのプラットフォームは基本的にプリウスと同一で、SUV化にあたり多少の変更を受けている。また、ハイブリッドシステムについてもプリウスと同じものが採用されている。

C-HRに乗ってみて感じたのはハイブリッドに対する意識改革が必要だということ。初代プリウスが登場して以来、ハイブリッドは燃費を稼ぐためのもので、1リットルで何km走ったとか、満タンで何km走れたかとかばかりを気にしていた。しかし、考えてみれば燃費はある程度よければそれで十分。そもそも走り方によってずいぶん違うものだ。

それよりも走って楽しいかどうかのほうに頭を切り換えたほうがいい。じつは『オーリス』のハイブリッドに乗ったときに同じことを感じたのだが、よりプリウスに近いC-HRのハイブリッドに乗ってみてそれを痛感した。

さて、C-HRはドライバーズシートに乗って周囲を見回すと、その風景はシンプルでありながらスポーティだ。さらにビックリするのがエンジンルームの配置やデザイン、今までのハイブリッド車ではなかったメカニカル感がある。このデザインにもある意味、意図を感じる。トヨタがこのクルマに込めた思いは、あえてハイブリッド感を払拭しようとしたのではないだろうか。走らせてみるとC-HRのハイブリッドは60km/hまでのEV走行ができたりと、ハイブリッドらしさはしっかりとある。しかし、ハイブリッド車であることを忘れて走れば、それを意識させないフィーリングも兼ね備える。

ハンドリングは意外としっとり感もあり、クルージングで気持ちいい。ホイールストロークが長めなので、乗り心地もいい。試乗コースにはハシゴ状に連続した段差を乗り越える場面(いわゆるガタガタ道)もあったが、こうした場所でも上手に入力をコントロールする。乗っているときはもちろんだが、外から動きを見ていると、連続した段差を乗り越えながらもルーフは水平を保ったままで段差を通り抜けていくことが確認できた。

価格が発表されていないので、オススメ度について、現時点では★をつけないでおく。

パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  2. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  3. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  4. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  5. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  6. ホンダ『ヴェゼル』マイナーチェンジで3グレードに集約、納期改善へ…「HuNT」「PLaY」新設定で個性強調
  7. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  8. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  9. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  10. 中国自動車業界における歴史的一歩! テインサスペンションの純正採用が実現
ランキングをもっと見る