10月初旬、背負い式ジェットウイングで飛行する「ジェットマン」と仏空軍のエアロバティック飛行隊「パトルイユ・ド・フランス」が、南仏で世界初のジョイント飛行に成功した。
イヴ・ロッシー、ヴァンス・ルフェ、フレッド・フガンの3名のジェットマンは、仏空軍のダッソー/ドルニエ「アルファジェット」8機とともに、高度1200mを260km/hで、タイトな編隊を組んで飛行した。
「ジェットマン」とは、スイス人のロッシー氏が開発したジェット推進式ウイング。空軍や民間でパイロットの経験があるロッシー氏は1959年生まれ。2004年にジェットマンの初飛行を達成して以来、ドーバー海峡横断、グランドキャニオン飛行に成功。2015年10月には、エミレーツ航空のエアバス「A380」とともに飛行する偉業も達成している。
ヴァンサン・ルフェ、フレッド・フガンの二人のフランス人はともに、スカイダイビングのフリーフライ種目における世界チャンピオン。パトルイユ・ド・フランスに上空で合流するには、75kgもの重装備で8分間、上昇するヘリコプターに腕の力だけでつかまっていなくてはならない。
9分間にわたり、ジェットマンは自分の体の動きだけで編隊における位置を維持し、アルファジェットの機体から数mの距離で空中を進んだ。
パトルイユ・ド・フランスのデュボワ司令官は、「空軍パイロットにとって、人間と編隊飛行できたことは、なんという素晴らしい体験だったか」と、世界初の試みの成功を喜んだ。
人間と航空機の二つの異なる世界がタッグを組んだ大空の冒険は、曲技飛行の現世界チャンピオンである仏空軍曲技飛行隊の「エクストラ330」から撮影された。