【VW ザ・ビートル デザイン 試乗】性能や燃費ではなく、雰囲気を楽しむ…青山尚暉

試乗記 輸入車
VW ザ・ビートル デザイン
VW ザ・ビートル デザイン 全 5 枚 拡大写真

現代のかぶと虫、『ザ・ビートル』が4年ぶりに改良された。

ベーシックモデルに搭載される105psの1.2リットルターボ+7速DSGのパワートレーンに変更なし。しかし前後バンパーに最新のVWに共通したデザインが施され、一段と精悍なスタイリングへと変身している。

インテリアもインパネデザインが新しくなり、改良版としてもっとも印象的な「ザ・ビートル デザイン」はダッシュパッド、ドアトリム、ステアリングトリムをボディカラー同色としている。乗り込んだ瞬間、新型らしさを感じやすいグレードである。

パワートレーンに変更がないため、その走行性能は従来のままだが、実は11月にシリーズに加わった、150psの1.4リットルターボエンジンを積む「ザ・ビートル Rライン」と比較してしまうと、Rラインにあるキビキビ感、リニアなステアリングの応答性はなく、乗り心地も大味。かなりおっとりした、往年のビートルらしい動力性能、操縦性、フットワークに終始する。

燃費性能は17.6km/リットルと、Rラインの18.3km/リットルにリードされるが(Rラインはブレーキエネルギー回生システムを備えるため)、ずっとマイルドな乗り心地、より高い静粛性を持つのはこちらのほうだ。

性能や燃費ではなく、現代のかぶと虫、ザ・ビートルの雰囲気を楽しみたいというファンにお薦めということだ。価格はRラインより24万6000円安く(実際には先進安全装備差があり、価格差は縮まる)、ナビや純正アクセサリーに予算を回すのもいいかもしれない。

ちなみに、ザ・ビートルでもっとも廉価な「ベース」は純正ナビ、純正2.0対応ETC車載器を装着できないため、ベースモデルを狙うなら装備も充実した「ザ・ビートルデザイン」に限る。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  2. ルノー『キャプチャー』新型、4月4日デビューへ
  3. メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
  4. 【メルセデスベンツ Eクラス 新型試乗】SUV全盛の今に、果たしてどのような人が選ぶのだろう?…河村康彦
  5. シトロエンが新型SUVクーペ『バサルト・ビジョン』を発表 南米で2024年内に発売へ
  6. メルセデスベンツ『Gクラス』改良新型…449馬力の直6ツインターボ搭載、表情も変化
  7. 「トヨタバッテリー」へ社名変更、多様な電動車用バッテリーを提供
  8. 日産『エルグランド』一部仕様変更、安全装備を強化
  9. 「フォルクスワーゲンR」、独立ブランドに…今夏新パビリオン開設へ
  10. BYDが高級ブランド デンツァ『D9』の先行受注を開始! 同じ右ハンドル市場の日本投入は?…バンコクモーターショー2024
ランキングをもっと見る