【トヨタWRC】復帰初戦のモンテカルロ目前、豊田社長「WRCの道に戻る日を迎えます」

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昨年11月のTGRF(富士スピードウェイ)、ヤリスWRCの前で力強く握手する豊田社長とマキネン代表。
昨年11月のTGRF(富士スピードウェイ)、ヤリスWRCの前で力強く握手する豊田社長とマキネン代表。 全 8 枚 拡大写真

19~22日に開催されるWRC(世界ラリー選手権)の今季開幕戦「ラリー・モンテカルロ」を前に、1999年以来のワークス参戦を開始するトヨタの豊田章男社長らがメッセージ/コメントを発表。ステアリングを握るヤリ-マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネンの両名も感触を語っている。

TOYOTA GAZOO Racingのチーム総代表でもある豊田社長は、「トヨタがWRCの道に戻る日を迎えます」と、コメント冒頭を叙情的に切り出す。そして昨年12月に急遽のかたちで加入が決まったWRC通算16勝のラトバラ(前VW)との2年半ほど前の邂逅について、「彼とは2014年のラリー・フィンランドの時に偶然出会い、言葉を交わしたことがあります。その時、彼はスマートフォンを取り出し、自身が初めて乗ったラリーカーであるカローラGTや、初めて実戦経験したWRカーであるカローラWRCの写真を見せ、トヨタへの熱い想いを私に語ってくれました」と振り返る。

豊田社長はさらに、「おそらく(ラトバラは当時)トヨタの社長である私に、ではなく、同じクルマ好き、大のトヨタ好きである私に語ってくれたのではないかと思います」と続け、「トヨタがWRCに再び参戦できるようになるとは(まだ)思っていませんでしたし、ましてや彼が私どものクルマに乗り、一緒に戦う仲間になるとは夢にも思っていませんでした。彼との契約が決まったと聞いた時、当時の彼の表情が浮かび、不思議な縁があったに違いないと感じました」と語る。

そして迫る開幕戦モンテカルロに向けての気持ちは、「彼(ラトバラ)を迎えたことで一層、心強くなり、そして待ち遠しくなりました」。

「東京オートサロン2017」トヨタ ブースの模様。

東京オートサロン2017
「開発当初からヤリスWRCを鍛え続けてきた、ヤリスを一番よく知るドライバー、ユホ・ハンニネン。トヨタに乗ってキャリアをスタートさせ、数多くのWRC勝利経験を持つドライバー、ヤリ‐マティ・ラトバラ。そして彼らの相棒(コ・ドライバー)である、カイ・リンドストロームとミーカ・アンティラ。この4人が、トミ・マキネン(1996~99年WRC王者)をはじめとするチームの皆が作ったヤリスWRCで走り出します。多くの仲間と、もっといいクルマづくりに向けた“トヨタの新たな旅”が、ついに始まります」

そして豊田社長は、「我々は“負け嫌い”です。ですから、もちろん負けたくはありません。ですが、そう簡単に勝てる世界でもありません。多くの皆様に応援いただければ、それが力となって、チームに…クルマに…ドライバーに…必ずや届くと思います。皆様、トヨタのWRCへの挑戦に応援、よろしくお願いいたします」と結んでいる。

ドライバー両名のコメントは以下の通り。

#10 ヤリスWRCを駆るラトバラ。

ラトバラ
#10 ヤリ-マティ・ラトバラ
「2カ月前はトヨタの選手としてモンテカルロに出場するとは夢にも思っておらず、とても興奮している。4日間のスノーテスト、1日のグラベルテスト、7日間のアスファルトテストと計12日間テスト走行し、改善を実施できたと思う。ヤリスWRCは競争力が高いと思っているが、各チームが新しいクルマで競うので、相対的に我々がどのくらいの位置にいるかは分からない。いずれにしても、今年は開発のための学びの年だと考えている。モンテカルロはまず完走を目指し、シーズン半ばから表彰台を狙えるようにしていきたい」

#11 ヤリスWRCのドライバー、ハンニネン。

ハンニネン
#11 ユホ・ハンニネン
「私が最後に出場したラリーは2015年のラリー・フィンランドなので、(今季の)WRCがいよいよ始まることがとても楽しみだ。テスト走行でのヤリスWRCにはとても良い感触を持っているが、何が起こるかは分からない。モンテカルロの結果については特に考えていないが、リラックスして競技に臨み、もちろん完走を目指したい。我々はまだ多くのことを学ばなければいけないが、シーズンが始まってしまえば自然に適応できると思う。トミ(マキネン代表)のおかげで家族のような雰囲気のチームができており、皆、一生懸命働きつつ、笑顔で冗談も言い合える空気がある。私を含め、皆がこのスタートを心待ちにしている」

トヨタはかつてWRCで1990年代にドライバー王者輩出4回(90、92~94年)、マニュファクチャラー王座獲得3回(93~94、99年)という栄華を築いたラリー界の名門メーカー。その18年ぶりのワークス復帰には全世界から熱い視線が注がれている。

《遠藤俊幸》

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