中日本ハイウェイ・エンジニアリングが、構造物点検用のドローンを自社開発。「新技術を開発して細かな点検をやっていきたい」と、技術研修所の公開に合わせて26日、報道陣に披露した。
高速道路の点検では、車両が通行する路面以上に路面となる床板を下から確認することが重要だ。今回デモンストレーションが行われたドローンは有線タイプで、橋の上にケーブルを支える支柱を立てて、ドローンを吊るすようにして飛行させ、本体に搭載した記録用のカメラで、橋を仰ぎ見るように撮影する。有線タイプのほかにも、インフラ点検に使用するドローンにはGPSを使って自律飛行させる災害用がある。
有線タイプのドローンは、バッテリ量の制限を受けず、電波障害が起きない。これも点検作業では大きな強みだ。同社はこのドローンを「SCIMUS」(スキームス)と名付けた。
操縦はケーブルの途中につけた俯瞰カメラで周囲の状況をモニターに投影。その様子をみながらドローンを操作する。この方式を使うことで、上からオペレーターが見ることのできない場所の撮影も手軽に行うことができる。ドローン本体には測距レーダーがついているため、構造物に衝突することもない。
同社は、ほかにもさまざまな用途に応じたドローンを開発中だ。例えば、新東名にある高さ80メートルにも及ぶ高架橋に特化したドローン、外観だけでなく複雑な構造物の内部を飛行して撮影するドローンなどの開発も行っている。
人の目の届かないところも、こうした新技術の開発で補完させようという試みだ。スキームスは他のドローンより早く、今春にも点検員が目視できない点検困難か所に試験投入される。