中日本高速の宮池克人社長は、高速道路の保守管理業務を統括する「管理技術者」について、資格の保有を含む基準の新設を実施することを、26日の会見で明らかにした。
「世の中でスタンダードができてきたので、それに合わせる形で2017年度から基準を明確化してやっていきたい」
道路やトンネルなど構造物の保守管理業務は、実際に点検を行う「点検実施者」(点検員)と、実施計画を作り、実施者の業務を統括する「管理技術者」がいる。宮池氏は、同社の管理技術者の選定について、こう説明した。
「もともと過去から長い期間道路点検をやってきて、内規として、例えば過去に10年経験があるとか、キャリアを踏まえた上で仕事をしてもらってきた」
国土交通省や自治体は、高速道路や一般道の保守点検では国家資格など誰もがわかる有資格者を置くよう定めている。宮池氏はこの違いについて「自治体などはそういう人がいないので、外に頼むような形で管理をやってきた。それで基準がないと、いろいろ問題が起きるのではないかということで、資格保有を求められたのではないかと思う」と、実績の違いを強調した。また「実際に点検する人は、力があるしっかりした人を選んでいる」と語った。
管理技術者の選定については、1月9日に朝日新聞がNEXCO系の高速道路3社のうち中日本と東日本が選定に特に資格を求めず、明確な基準がないことを報じた。一方、西日本高速、実務経験20年以上と、国家資格・民間資格の保有者であることを社内規定に定めている。
笹子トンネル天井板崩落事故から4年が過ぎた。老朽化する構造物の保守点検は、安全な高速道路維持に欠かすことのできない重要な業務だ。その責任者選定の要件は、外部からもわかりやすく明確であるべきだ。