国土交通省は東京都北区に本社がある東京ヤサカ観光バス(粂田佳幸取締役会長)の運転手が運転前に実施されるアルコール・チェックを不正な手段で逃れていたをきっかけにした監査で、同社を旅客自動車運送事業運輸規則違反で処分した。
2013年2月17~19日の日程で実施された中学生の林間学校の運行で、運転手8人が飲酒。運行前に法令で義務付けられている翌日のアルコール検知で、飲酒をしていない運転手を身代わりに立てて免れたとされる。運転手らは発覚した昨年9月に処分をうけた。
関東運輸局の監査は、この件を受けて同年9月30日と10月13日に実施されたもの。同社を健康状態の把握義務違反、点呼の実施義務違反、運転者・運行管理者に対する指導監督義務違反などで、バス1台の使用を10日間使用停止にした。行政処分は2月28日に実施された。
軽井沢スキーバス転落事故の教訓を生かし、貸切バス事業者への車両使用停止は、昨年12月1日から強化されている。使用停止対象がより広範囲に及び、営業所単位で登録されているバスの8割が対象となった。ただ、同社の違反事実は、それ以前に確定しているため適用されなかった。