モーターのテクノロジーが進む昨今、あらゆる乗り物が電動化される動きになって久しい。中には、電動化する必要性があるのか疑わしいモノもあるが、この子供用電気バイクはバイク人口を変える力を秘めているかもしれない。
東京モーターサイクルショー、ダートフリークブースで世界初お披露目されたヨツバサイクルの『ヨツバモト』は、秋の発売と6万円台の価格を目指しているという。今回は特別に開発車両に試乗させていただく機会を得た。
現在の仕様は、前後12インチ、モーターの出力200W。自転車のようなフレームワークに、太いメインフレームが目を惹く。このメインフレームにコントローラーとバッテリーが搭載されており、モーターはブラシレスのインホイールを採用した。
筆者の4歳の長男は、自転車でもふらつくくらいの腕前だが、アクセルとブレーキを教えてやると、ものの10分くらいでこの電動バイクをモノにしてしまうほどの、フレンドリーさ。
ご存じの通り、自転車の練習はいまや補助輪では無くキックバイクが主流になっており、キックバイクのレースもたくさんおこなわれている。キックバイクに夢中になる子供は多いが、その後はサッカーや野球に熱中してしまうため、二輪の活性化につながりづらい。
開発の伊藤氏は「この電動バイクは、キックバイクからの乗り換えでも乗れるので、ここからエンジン付きのキッズバイクに乗り換えてもらいたいという願いをこめています。発売したら、いろんなフィールドで試乗会を開いて、普及に努めたい」とのこと。オフロードバイク業界に貢献してきたリーディングカンパニーらしい発案だ。
エンジン付きのキッズバイクは、バイクを体験したことのない親にはなかなか難しいもの。また、重量も40kg程度で引き起こしも力が必要だし、エンジンの音だけでこわがってしまうキッズも少なくない。しかし、この電動バイクであれば筆者の長男のようにすんなりと乗り出すことができる。もっといえば、2歳の次男もペダルを外してキックバイクとして遊ばせることで、少しずつアクセルを開けることができるようになっていたほど、フレンドリー。
電動バイクは、キックバイクとモーターサイクルの間をつなぐことができる。電動バイクで育った子供が、十数年後に二輪業界を盛り上げてくれることに期待したい。
注:こちらの車両は公道走行不可。クローズドのコースでのみ乗ることができる。ヤマハPW50などと同じ扱い。
協力:ヨツバサイクル(試乗)