3月29日から一般公開がはじまったバンコクモーターショー2017。一般来場者数の推移をみるとここ数年は170万人前後をキープしている。
1997年7月にタイから始まったアジア通貨危機(「トムヤムクン・クライシス」とも呼ばれる)」前は200万人前後だったので以前よりも落ち込んではいるのだが、東京モーターショー(近年の来場者は80~90万人台)を大きく超えている。開催期間も2週間あり、言い換えればこの国の人々のクルマへの関心の高さを端的に表しているのだ。
そんなバンコクモーターショーの一般公開の時間は12時(正午)から22時。20時までの開場がニュースになった東京モーターショーと違い、「午後から夜まで」というのがスタンダードなのだ。確かに人がゆっくり来場できる時間からスタートし、仕事が終わってからでも来場しゆっくり見られるタイムスケジュールは効率がいいと納得できる。
日本人にとって不思議なのは、一般公開に先立ってプレスデーにおこなわれるオープニングセレモニーの開始時刻が9時59分と“中途半端”な時間だということだ。どうして10時ちょうどではないのか? もちろん、遅刻を防ぐために分単位で設定している、という話ではない。
実はタイでは「9」という数字が縁起のいい数字で、そのため式典などは9のつく数字に始まることが多い。本来なら「9時99分」にしたいところだが、「99分」という時刻はないので「9時59分」としているのだ。
9は「進む」とか「歩む」という前向きな意味があり、クルマのライセンスプレートや携帯電話番号でも9並びの数字は恐ろしいほどの高い金額で取引されるという。