【アウディ A5 新型】クワトロのDNAを引き継ぐエクステリアデザイン

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アウディA5クーペ新型
アウディA5クーペ新型 全 28 枚 拡大写真

アウディジャパンが受注を開始した新型アウディ『A5』のデザインは、1980年代にラリーシーンでも活躍した初代『クワトロ』のDNAを継承しているという。

2007年のジュネーブショーでデビューした初代A5クーペは、「美しさとスポーティーさを融合した魅力的なスタイリングと、4シータークーペとしての完璧な実用性。そして、優れた運動性能と快適性を両立させた走り。細部に至るまでこだわった高い品質といった点がお客様に非常に高い評価を得ていた」とはアウディジャパン代表取締役社長の斎藤徹氏の弁。そのデビューから2年後にA5スポーツバックとカブリオレが追加された。そして、クーペ登場から10年を経て2世代目に進化した新型A5について、「より強くよりエレガントなスタイルに進化した」とデザイン面をより強調する。

■クワトロのDNAをルーツに持つエクステリア

A5のエクステリアデザインは、「1980年代のアウディ『クワトロ』にそのルーツがある」と斎藤氏。このクルマは強力なパワーをきちんと路面に伝えるために、幅広タイヤを装着し、それをクリアするためにブリスターフェンダーを採用。それが特徴的なデザインだった。「このアウディクワトロをヒントに、初代アウディA5はデザインされ、美しいクーペが誕生した」。つまり、「波打つショルダーラインがエクステリアの個性を引き立てるデザインの要素であり、そこにクワトロのDNAが表現されていたのだ」と説明する。

新型A5は初代のデザインを進化。そのデザインメッセージは、「力強さと躍動感だ」という。この特徴的なショルダーラインについて斎藤氏は、「多くの動物の肩と腰は、大きな力を必要とするために力強い筋肉がつき、見るものに躍動感と力強さを感じさせている。まさに力強く張り出したフェンダーは、この筋肉を表現したものだ」と述べる。

フロント周りでは、立体感あるシングルフレームグリルの形状を変更。具体的には上下に低く、左右に広げ、また、ヘッドライトの位置をシングルフレームグリルの少し上に配することで、「前から見た時にスポーツクーペに相応しいシャープで精悍なイメージを演出している」と斎藤氏。

インテリアは、「水平基調のクリーンなデザインでまとめられたインストルメントパネルにより、広々とした印象を強調」。クーペの場合、従来型と比較し室内長で17mm、前席のショルダールームで26mm、ヘッドルームで12mm、後席乗員のニールームは23mm広くなっており、「更に居住性が増している」と述べた。

■メインはスポーツバック、FWD投入で更なる台数アップ狙う

新型A5は先代同様クーペを基本に、スポーツバックとカブリオレのボディバリエーションを持つ。それぞれの特徴について斎藤氏は、「クーペの持つ美しさとステーションワゴンが持つ機能性、セダンの持つ快適性を備えたユニークなモデルとして日本でも新たな顧客を生み出しており、A5の8割を超えるお客様がスポーツバックを選択している」とメインがスポーツバックだとし、新型においてもA5として初のFFモデルをスポーツバックに設定することで、更に台数の上乗せを目指している。

アウディジャパンマーケティング本部プロダクトマーケティングの山本文悟氏も「メインはスポーツバックだ」とした上で、FFの割合は「6割から7割。トータル台数としても、これまでより1割から2割は増えるのでは」と予測する。

因みに販売割合の残りは、クーペは約14%、カブリオレは6%ほどの割合だという。

カブリオレは、「走行性能や実用性で妥協することなく、耐候性に優れたソフトトップと、カブリオレとは思えない堅牢なボディによりオープントップモータリングの爽快感とともに、クーペモデルと変わらない快適性と使い勝手をもたらしている」と特徴を斎藤氏は語る。ソフトトップの開閉は15秒から18秒。50km/h以下であれば走行中でも開閉は可能だ。

またボディ剛性は、サイドシルの断面やリアパネルなどの負荷がかかる部分にねじれに強い構造を採用することにより、「従来モデルと比較し剛性を40%アップ。これにより俊敏で正確なハンドリングは可能になっている」(斎藤氏)。

A5の購入理由について山本氏は、「外観デザインが半数以上だ。アウディの中でも半分以上がひとつの理由を占めるクルマは他にはない」という。

ユーザー層は、「クーペ、スポーツバックとも世帯人数が2人以上3人ぐらいだ。スポーツバックでは、ご主人がクーペに乗りたいが諸事情により4ドアを選ばざるを得ず、それでも格好良いモデルに乗りたいということで選らばれているケースが多い」。その一方、クーペの場合は、「子供がいないか大きく、また、複数所有のパターンが多い」と分析。

最後に山本氏は、「今回はデザインが格好良くなり、動力性能も上がり、スポーツバックにはFWDも追加されたことから、これまで以上にお客様へ提案出来る体制が整った」とし、特に、FFに関しては、「市場からの要望というよりも、我々からの提案だ。価格面でもエントリーモデルのFWDを投入することで更に間口を広く持つことが出来る」と販売面での強みを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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