【WEC 第2戦】トヨタ8号車 中嶋一貴組が開幕2連勝…7号車 小林可夢偉組との1-2フィニッシュ

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1-2フィニッシュのトヨタ勢(#8が優勝、#7が2位)。
1-2フィニッシュのトヨタ勢(#8が優勝、#7が2位)。 全 8 枚 拡大写真

現地6日、世界耐久選手権(WEC)第2戦の決勝6時間レースがベルギーのスパ・フランコルシャンで行なわれ、トヨタの8号車 中嶋一貴組が開幕2連勝を達成した。7号車 小林可夢偉組が2位に続き、トヨタは1-2フィニッシュを飾っている。

今季はトヨタの「TS050ハイブリッド」とポルシェの「919ハイブリッド」による真っ向対決となっている最高峰クラス「LMP1-H」。今回はトヨタが次戦ルマン24時間に向けての3台体制による参戦を予定通りに開始、トヨタ3台とポルシェ2台による戦いとなった。

ポルシェは開幕戦に続いて2台(#1と#2)ともルマン仕様、ロー・ダウンフォース(DF)の空力パッケージで参戦。一方のトヨタは、レギュラー参戦の2台(#7と#8)は開幕戦同様にハイDF仕様とし、3台目(#9)をローDF仕様にしての臨戦である。なお小林可夢偉が乗り組む7号車は、J-M. ロペスが開幕戦のクラッシュの影響により欠場、M. コンウェイとの2人体制で今回のレースを戦う。

予選では#1 ポルシェがポールポジションを奪い、トヨタ勢が#7、#9、#8の順で2~4位に並ぶ結果に。しかし決勝レースはトヨタが主導権を握って進める流れとなり、レースフィールド全体が、展開を激変させるようなアクシデントは起きないかたちでの推移に終始した。終盤にはコースの一部で雨も降ったが、これも大きな影響は及ぼしていない。

そしてレースは、#8のS. ブエミ を#7の可夢偉が猛追するかたちでのトヨタ勢僅差1-2フィニッシュに帰結。マシンのスピード面では#7 トヨタの方が秀でていた印象の一戦だったが、フルコースイエローのタイミングなどに恵まれたことも含めて#8 トヨタが勝負強さを発揮し、開幕2連勝を飾ることとなった(逆にいえば、2位の#7 トヨタには不運な展開だった)。

WEC第2戦の決勝1~5位は以下の通り。今回がデビュー戦となった国本雄資(16年スーパーフォーミュラ王者)らが乗り込んだ#9 トヨタは2周遅れの5位でレースを終えている。

1位 #8 トヨタTS050(中嶋一貴 & S. ブエミ & A. デビッドソン)
2位 #7 トヨタTS050(小林可夢偉 & M. コンウェイ)
3位 #2 ポルシェ919(T. ベルンハルト & E. バンバー & B. ハートレー)
4位 #1 ポルシェ919(N. ジャニ & A.ロッテラー & N. タンディ)
5位 #9 トヨタTS050(S. サラザン & 国本雄資 & N. ラピエール)

優勝した#8 中嶋一貴のコメント
「我々(#8)にとっては厳しいレースであったはずで、正直なところ複雑な気分です。表彰台の中央に立てたのは嬉しいですが、7号車は本当に不運でした。ただ、最終的にはチームにとって最高の結果となりましたし、昨年は不運続きだった我々にも今年は運が向いて来たのだと感じています。最高の結果とともに、良い気分でルマンに向かうことができます」

2位の#7 小林可夢偉のコメント
「我々のTS050(#7)は間違いなく今日の最速マシンで、これで勝てなかったのは運がなかっただけのことです。全力で追い上げ、レースの最後にはセバスチャン(ブエミの#8)の直後まで追いつきましたが、1-2体制でファイナルラップを迎えることを優先し、リスキーな追い上げは止めました。チームにとっては最大のポイントを獲得でき、最高の結果になったと思います。特にここは(ドイツのケルンを本拠とする)我々にとってホームコースのひとつでもあり、チーム全員の努力による素晴らしい結果になりました」

5位の#9 国本雄資のコメント
「WECでの初レース、そして初めてのスパに臨み、たくさんのことを学びました。多くの周回をこなしたことで、周回遅れのマシンを追い越す手法やタイヤマネージメント等についても貴重な経験を積むことができました。順位は今日の一番の目標ではありません。今回はルマンへ向けた準備という重要なステップであり、その意味ではとても満足しています」

なお、LMGTE-Proクラスはフェラーリが1-2で制した。優勝は#71 フェラーリ488GTEのD. リゴン & S. バード。今回はフォードが3-4、ポルシェが5-6、アストンマーティンが7-8という綺麗な順位関係での決着となっている。またLMGTE-Amクラスでは、澤圭太の乗る#61 フェラーリ488GTE(W. モク & 澤 & M. グリフィン)が3位に入り、開幕戦の優勝に続く連続表彰台獲得を果たした。

いよいよ次戦、WEC第3戦はシリーズ最大の山場であるルマン24時間レース。ルマンでもトヨタは3台体制、3連覇を目指すポルシェは2台体制のままなので、トヨタは引き続き数的有利な状況での戦いとなる。それも活かし、トヨタは昨年の残り数分での逸勝という悲劇を乗り越えて宿願のルマン初制覇を成し遂げることができるのか。世界が注目する決勝24時間レースは6月17~18日に行なわれる。

《遠藤俊幸》

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