中国市場動向…日本より強いEVニーズ、中国ならではの理由

自動車 ビジネス 海外マーケット
東風汽車のブースには、EV/PHEVのプロダクトカーがずらりと並ぶ
東風汽車のブースには、EV/PHEVのプロダクトカーがずらりと並ぶ 全 7 枚 拡大写真

日本では、EVはまだ一部の特別な車種という位置づけだが、中国メーカーは、EVやPHEVをメインストリームに位置づけ、大々的にアピールをしている。上海モーターショーの中国ローカルメーカーのブースでは、一番目立つ場所に、コンセプトカーではなく、生産車のEV/PHEVがずらりと並んでいた。

中国ではPM2.5 などによる大気汚染が大きな問題になっているため、EVの人気もそれが理由なのかと思いきや、それだけではない中国ならではの事情があった。中国の大手メーカーの一角である広州汽車(GAC)のブースで、セールスマネージャーの于博君氏に話を聞いた。

「中国の大都市圏、つまり北京・上海・広州の地域では、EVだとナンバーが取りやすいので、EVが売れるという事情があります。また免税制度もあるので、買いやすくなっています」

「日本は違うと思いますが、中国市場は、政策によるコントロールが強く働きます。PM2.5のことを気にしている若い世代がEVを好むという傾向はありますが、それ以上に政策による後押しが強いです。例えばEVでは最大4万元、PHEVでは最大2万4000元の補助金もあります」

上海の街を歩いていると、市民の足として電動スクーターが大活躍していることに気付く。EVのメリット/デメリットについて、中国の消費者は理解度が高いのではないかと感じるゆえんだ。「国産のバッテリーを積んでいるEVには、航続距離が100km程度のものもありますが、あまり問題にはなっていません」とのことだ。

上海モーターショーでは、 トヨタやホンダが中国市場向けのEVの開発、生産を公表している。また政策による後押し、消費者の理解度、大気汚染の課題などの周辺状況もあり、中国市場がEVの一大市場になる未来が見えてきた。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  2. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  3. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  4. ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
  5. アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
  6. SHOEIが新型フルフェイスヘルメット『GT-エアーIII』にグラフィックモデル「DISCIPLINE」を設定
  7. テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
  8. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  9. ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
  10. 三菱『エクリプス クロスPHEV』は、新しい毎日に踏み出せる「今の時代、最強の1台」だPR
ランキングをもっと見る