18日、全国オートバイ組合連合会(AJ)と、世界的潤滑油メーカーMOTUL(モチュール)総輸入販売元のテクノイル・ジャポン株式会社が18日、業務提携した。
テクノイル社のグレゴア・ゾーク社長は、その提携の意義をこう語った。
「我々の役割は、もともと日本のマーケットにあったマグマのようなパッションを、もう一度呼び起こすことだと思っている。今回の提携を機に、AJの持っているネットワークを通じて、オイルメーカーとしてテクニカル・トレーニングなどを提供することによって、もっと活気を作っていきたい。もっとバイクを好きに、バイクをおもしろいと思ってもらえる場を作りたい」
国内の二輪車販売が急激に落ち込む中で、日本市場をもう一度取り戻したいと思いは、外資系企業にも強い。それはオートバイ製造大国である日本への大いなる期待を込めたメッセージでもあった。
同社が目を向けたのは、オートバイ・ショップなどを利用するごく普通だが、最も大きな支持層である一般ライダーだった。
「モータースポーツ、例えば、MotoGPや8時間耐久に非常に大きな投資をしてきた。そのモータースポーツと公道を走って楽しいと思うライダーとをつなぐものがなかった」
「日本にはモーターサイクルショーなど多彩なイベントがある。四季もあり、様々なライディングに適した道がある。そうした場所に出かけてサポートしたい」と語る。
テクノイル・ジャポンとAJは、あの東日本大震災で被災地支援に入った。それぞれが別々に行動を起こしていたのだが、その思いは同じ。テクノイル社は全国のMOTUL取扱店共に、現地販売店を支えた。また、AJは被災販売店だけでなくパンクした四輪車の修理や物資支援をして、共に二輪業界として発信できる社会貢献を考えてきた。
AJの大村直幸会長は「相乗効果」を強調する。「AJはモチュールを推奨オイルとして指定する。世界的なブランドといっしょに販売店の組合としての認知度を上げていくことで、さらに業務展開が期待できる」。
ゾーク社長は5か月前にシンガポールからやってきたばかり。「まず自分ができることは、日本でオートバイを買うこと」と周囲を笑いに誘った。まさしく両者はオートバイでつながっている。