首都高速道路は26日、「首都高点検・補修デモ2017」を開催した。土木工学などを専攻する大学生を対象に同社が2008年から年に1回実施しているもので、今年は41人の大学生が参加。最新のメンテナンス技術などを体験した。
このイベントは土木工学を専攻する大学生に首都高速道路のメンテナンス技術を紹介するとともに、「この業界への興味を強めてもらうこと」を目的としている。橋脚など鋼構造物の損傷を発見するための超音波探傷試験や、コンクリート強度測定の試験など、各種メンテナンス実作業のデモンストレーションを実施するとともに、最新の点検技術についても披露している。
このうち「インフラドクター(InfraDoctor)」と呼ばれている道路や構造物の維持管理業務支援システムは、MMS(移動計測車両による測量システム)で計測した3次元点群データや全方位動画などをGIS(地理情報システム)と連携させることで、道路や構造物の状況をパソコンの画面上で確認することができたり、3次元点群データから補修作業等に必要な図面を自動作成することができるというシステム。今回は測定に使うMMSの実車が展示された。また、交通規制を行なわずして照明の明るさ、温度や湿度、ETCやAM/FMラジオ等の電波強度をチェックできる測定車両も合わせて公開されている。
首都高では高架区間の点検にドローンの投入も検討しており、今回のデモでは3機のプロトタイプモデルが披露された。いずれも同社が開発を進めているオリジナル機となっている。上部にタイヤが取り付けられたカゴ状の筐体にドローン本体が収められているのが外観上の特徴で、地上から高架橋の下部に押しつけるように飛ばし、筐体に取り付けられたタイヤで滑走させながら点検するという。橋脚の隙間に入り込めるような薄型モデルも用意されていた。
普段は見られないものも多いことや、各種メンテナンス技術は実際に仕事をしている人から生の声を聞くことができるだけあって、参加した学生たちも興味津々といった様子だった。