【ダイハツ ミライース 試乗】真面目が走っているようなクルマ!?…島崎七生人

試乗記 国産車
ダイハツ ミラ・イース X“SA III”
ダイハツ ミラ・イース X“SA III” 全 10 枚 拡大写真

『ミライース』としては初のフルチェンジ。新プラットフォーム“DNGA”の第一弾で、最大約80kgの軽量化をはじめ、もちろんすべてが新しい。

とはいえ、クルマそのもののコンセプトは思った以上に変わらなかった。位置づけは今回も、ビール業界の表現をもじった“第3のエコカー”で、ザックリと言えば何をおいても低燃費、経済性はマストというクルマ。設計思想はとにかく真面目、真面目、真面目…と、真面目が走っているような軽自動車なのである。

そこが、どうかな?と思うポイントだ。資料には「日常生活のパートナー」の見出しも立っているが、目指す目標は当然としてそれらはあくまで隠し味で、盛り付けはもっと楽しげで気持ちを豊かにしてくれるものであってほしい…そんな思いが残る。

とくに外・内装のデザインは、お米の焚き具合で言うと少々「こわい」かな、といったところ。ビジネスユースなら構わないだろうが、パーソナルカーとして乗ろうとした場合、もっとやわらかなニュアンスで、別の解釈のシンプルさ、プレーンさを望みたい気もする。が、『ミライース』はあくまで原点とのことだから、今後の展開にとにかく期待したい。

実用前提に視点を変えれば、もちろんよくできている。後席はドア開口&開度が大きく、シートは座面がヘナッとせず反発を残したクッションで快適。スペースも小型車に迫るゆとりがある。バックドアは樹脂製ならではのパフッ!と静かな閉じ音がいい。マーター内のTFTマルチインフォメーションディスプレイは、キーフォブ(電子カードキー)のバッテリー残量を警告してくれるなど親切で視認性もいい。

3気筒エンジンの走りはCVTとの協調制御が入念。街中や流れのいい幹線道路でも、いかにも軽量ボディが効いて、ストレスなく走れる。乗り味は2455mmのホイールベースらしくピッチング少なめに仕上げられている。スマアシの機能が進化しているのも見逃せない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  2. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  3. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  4. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  5. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  6. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  7. ホンダ『ヴェゼル』マイナーチェンジで3グレードに集約、納期改善へ…「HuNT」「PLaY」新設定で個性強調
  8. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  9. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  10. MINIに新種『エースマン』登場、航続406kmのEV…北京モーターショー2024
ランキングをもっと見る