【グッドイヤー アイスナビ7】4年ぶり刷新の新スタッドレス、スケートリンクで試走

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グッドイヤー アイスナビ7 試走会
グッドイヤー アイスナビ7 試走会 全 18 枚 拡大写真

「ベクター 4シーズンズ ハイブリッド」(以下ベクター)で、すっかりオールシーズンタイヤのカラーがついたグッドイヤーだが、さらにウインターロードに強いスタッドレスタイヤの開発にも余念はない。

グッドイヤーのスタッドレスタイヤ「アイスナビ」が登場したのは1997年。今からちょうど20年前のこととなる。その後、「アイスナビ」はモデルチェンジを繰り返しつつ進化、今年、7代目となるニューモデル「アイスナビ7」が登場した。先代「アイスナビ6」登場が2013年なのでじつに4年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

グリップ力、操縦安定性を向上

多くの部分が刷新された新しいアイスナビだが、まずはパターンについて見ていこう。トレッド面は中央付近のブロックに横方向の剛性が高いものを採用し、氷上やドライ路面での操安性を向上している。新たに採用されたトレッドデザインのなかでもっとも注目すべきは、“エキストラ・マルチプル・サイプ&ウルトラNAVIブレード”と呼ばれる部分。氷上でのグリップに大きく影響するエッジ成分を従来モデルに対して13%アップしている。

ラグ溝をジグザグに配置することによって雪柱せん断力を向上。雪道でのグリップをアップしている。ストレートグルーブは4本を配置。ウエット路面走行時の排水性を高め、ハイドロプレーニングの防止に貢献している。日本グッドイヤーのテストによれば、100km/hからのABSブレーキで制動距離を2%短縮している。新品装着時から氷上性能を発揮できるようにした“イニシャル・エッジ・デザイン”を採用したところも見逃せない点だ。

コンパウンド(トレッドのゴム)も改良された。コンパウンドのなかで重要な役割をするシリカは、分子同士が互いに結合しやすい特性をもっているが、今回の「アイスナビ7」では分散シリカと呼ばれるシリカを採用することでシリカ成分を細かいままでの配合を実現。路面との密着性を向上することに成功した。氷上でのブレーキ性能は20km/hからのABSブレーキで7%の向上に成功している。

スケートリンクで走りを試す

そんな新しい「アイスナビ7」をアイススケートリンクを使っての試乗を行うイベントが開催された。試乗コースはアイススケートリンクをグルッと2周するもので、そのなかにいくつかのセクションが設定されていた。最初に「アイスナビ6」に乗り、その後「アイスナビ7」に乗るという比較試乗だ。試乗車はトヨタ『C-HR』のハイブリッドが用意された。

慣れないアイススケート場でいきなりのスタート。「アイスナビ6」ではTRCが作動し、メーター内でインジケーターが点滅したが、同じ踏み込み方で「アイスナビ7」を試しても、TRCは作動しない。スタンディングスタートのトラクションは「アイスナビ7」が明かに高い。

続いて、8km/hで左にフル転舵、右にフル転舵というテスト。「アイスナビ6」でもきれいにクリアできたが、「アイスナビ7」では、舵角に対してより深くまでクルマが曲がっていく。2周目は転舵量を減らしてみたが、それでも十分に曲がる。

最後は15km/hからのフルブレーキング。助走区間が短く、速度の調整が微妙だったので正しく制動距離の比較ができたとは言い難いが、ブレーキを踏んだ瞬間の食いつきのよさと、ABS領域が終わりロック状態となってからの減速感は「アイスナビ7」のほうが上。さらにステアリングを180度切った状態からのブレーキングでも「アイスナビ7」のほうが舵が効く傾向にあった。

都市部を中心とした地域で支持を得た「ベクター」に続いて、積雪地域向けの「アイスナビ」のフルモデルチェンジで、グッドイヤーはますますウインタータイヤのシェアを広げそうだ。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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