【ダイハツ ムーヴ 改良新型】先進装備の進化がもたらした“意外な”恩恵とは

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マイナーチェンジでスマートアシストIIIを搭載した新型「ムーヴカスタム」
マイナーチェンジでスマートアシストIIIを搭載した新型「ムーヴカスタム」 全 9 枚 拡大写真

ダイハツ『ムーヴ』『ムーヴカスタム』が8月1日、マイナーチェンジを行い、同時に歩行者にも緊急ブレーキを動作させる「スマートアシストIII」を新搭載。同時に車両の前後左右を映す「パノラマモニター」の採用するなど、主として安全・安心を向上させているのが最大の特徴だ。

「スマートアシストIII」の採用は、『タント』『ミライース』に続く3車種目。センシングに世界最小のステレオカメラを使うことで、車内への圧迫感を軽減すると同時に歩行者や先行車、障害物などに対して警告や緊急ブレーキに対応する。特に歩行者に対しては、警告のみだった「スマートアシストII」から大きな進化となり、カバーする速度域も対車両で約4~80km/h、対歩行者で約4~50km/hと一段と広くなっている。
スマートアシストIIIとなったことで歩行者に対して警告だけでなく、緊急ブレーキも作動するようになった
また、対向車のヘッドランプなどを検知して自車のヘッドランプをハイ/ローに自動切り替えする機能も追加し、夜間時の視界確保に大きな貢献を果たすことも見逃せない。

ここのところ、センシングの機能アップが続いているが、これは自動車事故対策機構(NASVA)が実施している自動車アセスメント(JNCAP)で、歩行者に対する被害軽減ブレーキをチェック項目に追加されたことが大きい。当初主流だった赤外線レーザーでは歩行者の検知ができず、形状認識がしやすいカメラの採用が相次いでいるのだ。

タントも昨年のマイナーチェンジで「II」から「III」へと進化したが、これによってJNCAPでの大幅なポイントアップにつながった実績がある。ムーブでも同様な結果が出ることが期待される。

そして、「スマートアシストIII」の搭載によって見逃せないのがデザイン面でのメリットだ。「スマートアシストII」まで採用していた赤外線レーザーセンサーは、フロントグリル内に取り付けられていた。そのため、黒い筐体で目立たなくしてはいたものの、デザイン上の制約は避けられなかったのは事実。
ダイハツ ムーヴ カスタム RS“ハイパーSAIII” 
「スマートアシストIII」ではセンシングをカメラだけで行うため、これが不要となり、フロント周りのスタイリッシュさ向上につながっているのだ。特に「ムーヴカスタム」には新意匠のインパネガーニッシュと共に共新開発の多灯薄型LEDヘッドランプを採用しており、そのメリットは大きい。全体の雰囲気もグレード感が大幅に高まった印象を受ける。

一方で、今回のマイナーチェンジで仕様から落とされたものもある。それが「ウォームパック」だ。これは運転席シートヒーターやリヤヒーターダクト、ヒーテッドドアミラー、ウインドウシールド・デアイサーをセットにしたもので、マイチェン前は2WDでもこれを選ぶことで装着が可能だった。それがマイチェン後は運転席シートヒーターを標準装備とし、リヤヒーターダクトとヒーテッドドアミラーは4WDのみに装備することに変更されてしまった。
マイチェン前のムーヴに設定されていたウインドウシールドデアイサー
軽自動車はセカンドカー需要が多く、そのため屋外に駐車することが少なくない。ヒーターミラーやリヤヒーターダクトは4WDを必要とする積雪地にだけ求められていると考えがちだが、実はそうではない。雪があまり降らない北関東や東北の太平洋側では冬は気温が低くなってミラーが凍結するし、後席のヒーターも欲しいところ。デアイサーについても使う機会は少ないかも知れないが、降雪時にワイパー付近を溶かすのに有効に機能するのだ。

4WDまでは必要なくとも、2WD車で十分な地域でこうした機能を欲しいと思っている人は少なくないはず。ぜひともウォームパックに準じた仕様の復活を望みたい。

《会田肇》

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