気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2017年9月12日付
●内閣支持5割回復、「前原氏に期待せず」60%本社世論調査(読売・1面)
●中国も「脱ガソリン車」新華社報道、生産・販売禁止検討(読売・2面)
●ホンダ中国IT大手とEV開発(読売・8面)
●杉並区 車に絵柄ナンバー、名所など「走る広告塔」に(読売・31面)
●配車アプリ提携、スズキ、インド企業と(朝日・6面)
●ネット+車載機トヨタが新ナビ(朝日・6面)
●ななつ星、阿蘇泊へ、JR九州来年3月、新ルート(朝日・6面)
●石油禁輸「全面」は見送り、北朝鮮制裁案、米、中露に譲歩、安保理(毎日・1面)
●ガソリン車禁止世界市場の4割に、日本勢EV対応急務(産経・2面)
●沿線火災、小田急車両に延焼、現場脇に非常停止(産経・28面)
●老朽首都高、初の大改修、開通半世紀、羽田線、14日から迂回路(東京・1面)
●中国新車販売5.3%増、8月乗用車は4%増どまり(日経・11面)
●朝イチ日光紅葉狩り、東武が臨時夜行列車(日経・35面)
ひとくちコメント
「中国、お前さんも?」。中国政府がガソリン車やディーゼル車の製造・販売を禁止する方針を打ち出したという。国営新華社通信によると、中国工業情報省の辛国斌次官が、化石燃料車の生産・販売の禁止時期に関する検討に入ったことを明らかにしたそうだ。
きょうの日経が1面トップで「中国、ガソリン車禁止へ、英仏に追随、時期検討」と大きく報じているほか、朝日を除く各紙も共同配信の記事などで取り上げている。
それによると、辛氏は9月9日、天津市で開催された自動車フォーラムで「従来からの化石燃料車の販売や生産をいつ終了するか、予定を決めている国もある」と指摘。「工業情報省はさらに、関連する調査を始めており、関係省庁とともにスケジュールを作成する予定だ。このような方策は確実に、わが国の自動車産業の発展に大きな変革をもたらすだろう」と述べたという。
世界最大の自動車市場の中国は大気汚染が深刻化しており、中国政府は2025年までに自動車販売の少なくとも5分の1を電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)にすることを目標としている。辛氏の発言はEVなどへの移行を促すものと受け止められ、1面トップの日経は「世界最大の自動車市場である中国の動きは、大手自動車メーカーの成長戦略や世界のEV市場に影響を与えるのが確実だ」と指摘。
また、産経も1面と総合面で大きく取り上げて、「日系メーカーにとってはEVの開発・販売強化が急務となる」として、「英仏中3か国合算の新車販売は世界の4割弱に達しており、EV対応に出遅れればシェアを失いかねない状況にあるからだ」と警鐘を鳴らす。
もっとも、新華社通信の報道は、「禁止時期の検討に入った」だけのことである。英国やフランスのように「2040年までに禁止」などと導入時期を明確に触れたわけでもない。
きょうの記事もそうだが、最近のメディアは「EVシフト」一点張りで、これまで、“エコカー”と呼ばれていた低燃費のガソリン車やクリーンディーゼル車、さらに、燃料電池車などは蚊帳の外。一般紙も客観性を失い「偏向報道」に流されてはいないか、気になるところだ。