住友商事は9月28日、台湾のスタートアップ企業gogoro(ゴゴロ)社とオープンプラットフォーム事業を共同展開するために戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
その一環として住友商事はgogoroが実施した約300億円の第三者割当増資の一部を引き受けるとともに、gogoroが展開する電池交換式電動スクーターおよび「GoStation」と名付けた交換式電池用充電ステーションを使ったシェアリング事業の実証実験を2017年度中に沖縄県石垣市で実施する。
gogoroの電動スクーターは台湾で2015年の発売以来、累計で3万4000台以上が販売され、GoStationも420か所以上に設置されているという。すでに台湾以外にも導入されており、日本はベルリン、パリに次ぐ進出となる。GoStationでは交換式電池が充電された状態で置かれており、電動スクーターのユーザーはわずか6秒で電池の交換ができる仕組みになっている。
石垣島で実施する実証実験について同日、都内で会見した住友商事モビリティサービス事業部の緒方剛副部長は自然環境に配慮した交通手段の提供および災害時の電力供給を担う設備としても活用するとした上で、「まさに日本初の再生可能エネルギーを活用したバッテリー交換型のスクーターシェアリング事業」と述べた。
具体的には「石垣島の4カ所にGoStationを設置する予定。スマートスクーターの航続距離は100km以上となっているが、島のどこにいても20kmの範囲でバッテリー交換ができるという利用者にとって利便性の高い場所にGoStationを設置する。一部のGoStationには石垣市と共同で太陽光発電をと入り込む予定」としている。
電動スクーターは50ccおよび125cc相当の機種を導入するが、その台数や料金体系はこれから詳細を詰めるとしている。
さらに緒方剛副部長は「GoStationを活用したエネルギーネットワークをオープンなプラットフォームとして構築していく」とも述べ、gogoroと共同でGoStationおよび交換式電池によるエネルギーネットワークを基盤としたプラットフォームを他のスクーターを始めとするモビリティメーカーに開放し、オープン化を推進していく考えを示した。
gogoroのホレイス・ルークCEO(最高経営責任者)は会見で「私たちはスクーターやバッテリーの製造会社としてスタートしたわけではない。私たちはプラットフォーム企業である。このプラットフォームはすべての車両やブランドをサポートする。しかもその車両は2輪車にとどまらず3輪車、4輪車、まったく車輪がないモビリティでもサポートすることができる」と強調。
その上で「私たちはエネルギーを簡単に安全に提供したい。今までになかったエネルギーへのアクセスを可能にしていきたい」と話していた。