盗難から愛車を守る「カーセキュリティ」の今

自動車 テクノロジー 安全
一時期と比べると減少はしたものの、それでも年間10,000件以上の車両盗難の被害が出ている
一時期と比べると減少はしたものの、それでも年間10,000件以上の車両盗難の被害が出ている 全 9 枚 拡大写真
警察統計によると、2016年(1月から12月)1年間の自動車盗難の発生件数は「1万1,655件」にのぼり、そのうち、施錠した状態で盗難にあった件数が、8,530件、鍵をつけたままの状態で盗難にあったものも、3,125件に上るという。防犯意識の高まりやイモビライザー装着車の増加などによって、一時期と比べると減少はしたものの、それでもこの数字である。全ての自動車ユーザーにとって、自動車盗難は決して他人事ではない。

自動車盗難の発生件数

◆自己防衛のススメ

統計結果で驚かされるのが、キーを付けたまま被害に遭った割合が「25.7%」と未だ高い割合を占めていることだ。「すぐ戻るから、付けたままでも大丈夫」という意識が未だにあるからで、自動車ユーザー、一人ひとりの防犯意識を高めることが最も重要なことだと言える。また、車両盗難だけでこの件数であり、車上荒らし(車上ねらい、部品ねらい)まで含めると、その件数は膨大だ。街中の防犯カメラの設置台数の増加など、犯罪を行いにくい環境整備が進んでいることで、車上荒らしの認知件数もピーク時から大幅に減ってはいるものの、年間で約6万件(ピーク時は約45万件)も発生している。やはり、防犯意識を高めるだけでなく、自己防衛する必要性がありそうだ。

「車上荒らしの認知件数」 件数は減っているものの、それでも年間6万件近くも発生している

自己防衛の方法として最も分かりやすいのが、「車両保険」に加入し、その補償内容を充実させることだ。しかし、あくまで被害に遭ったものを「原状回復」させるものなので、被害に遭った時の様々な手間を考えると、被害を未然に防ぐ方にも力を入れたいトコロだ。そこでオススメしたいのが、「カーセキュリティ」という考え方だ。

◆カーセキュリティの代名詞「オートアラーム」

カーセキュリティとは「純正のイモビライザー」をはじめ、「ハンドルロック」「ロックナット」など、パーツや車体を守る「防犯対策全般」のことを言うが、一般的には、その代名詞とも言える「オートアラーム」のことを指すことが多い。カーセキュリティにおいて、最大の目標は“盗まれない”こと。そのため窃盗団から、いかに「盗みにくくするか」が重要になってくる。

このオートアラームを装着することで、クルマに異常が発生した際に、窃盗犯に対し“音や光”で警告を発し周囲に知らせたり、機種によっては離れた場所に居るオーナーに異常を知らせ、クルマが自走できないようにしたりと、愛車を盗難から守ることができる。その効果を以下の動画で確かめてほしい。



オートアラームには「衝撃センサー」が内蔵されていることが大きな特徴だ。このセンサーでクルマの異常な振動を検知して警報音を発砲できる。また、大きな衝撃を与えない犯行に対しては、ボンネット・トランク・傾斜などに対応できるセンサーをかけ合わせる事で幅広く対応でき、組み合わせも無限大。自分の好みや目的に合わせてバージョンアップしていけるのも魅力の1つだ。


なお、以下はプロもオススメする代表的なセキュリティブランドなので、セキュリティ導入の際に、比較検討してみると良いだろう。

【クリフォード(CLIFFORD)】
かつて米国では「全米で1台も乗り逃げされたことがない」をキャッチコピーとして宣伝されていたほどの信頼性を持つ、高級セキュリティの代名詞。現在に至るまでに数多くのシステムを考案・開発、製品化し、カーセキュリティの分野で常識となりつつあるリモートコントロールの数々の革新的技術・特徴を開発してきたのが同社だ。クリフォードブランドは今や、カーセキュリティでは信頼性世界一の評価を得ていて、世界中で認められている。
高級セキュリティの代名詞「クリフォード」


【バイパー(VIPER)】
世界最大のカーセキュリティメーカー「DEI」のトップブランド。日本では「加藤電機」という会社が、日本の駐車環境にあった製品を開発している。バイパーのカーセキュリティの基本機能は世界最高水準を誇り、さらに豊富なオプションで様々な機能を追加することができる。それらの豊富な機能を最大限引き出すには、バイパーのことを知り尽くしたインストーラー(設置や取付を行う人)が必要不可欠で、インストーラーがインストールして初めて本来の機能を発揮する。そのため、製品だけの販売ではなく、取り付け込みの販売が義務づけられている。

世界最大のカーセキュリティメーカー「DEI」のトップブランド「バイパー」


【パンテーラ(Panthera)】
日本のカーセキュリティシステム販売・取り付けの老舗「プロテクタ」と、国内有数の自動車用電子機器メーカー「ユピテル」との共同開発によって生まれた。2002年秋から開発がスタートし、2年以上の年月を経て製品化が実現。日本国内の駐車環境を考慮した、国産初のハイエンド・カーセキュリティ機器として、2004年12月に発売を開始した。その期待は裏切られることなく、現在では「国産・最強カーセキュリティ」と言われるまでに進化を遂げている。

“国産・最強カーセキュリティ”と言われる「パンテーラ」


【ゴルゴ(Grgo)】
カーセキュリティブランドとして着実に歴史を積み重ねたユピテルが製造するアンサーバック・オートアラームシステム。 オプション追加により上位モデルへのグレードアップが可能で、セキュリティレベルをステップアップすることも可能だ。また、高い双方向通信能力を持つことも大きな特徴。アンサーバックリモコンが異常の発生を通報音とバイブレーターで知らせてくれる。 日本での設計・開発・製造による、日本の駐車環境を考慮したシステムで、まさしく「日本人のためのカーセキュリティ」と言える。

まさに、“日本人のため”のカーセキュリティ「ゴルゴ」


もちろん、他にもたくさんの商品があるが、カーセキュリティは他のカー用品に比べて高額だ。また、「クルマの使用環境に合った組み合わせ」こそ真価を発揮するので専門性も高い。現実問題として、興味があっても導入するにあたっての敷居やハードルは高いだろう。そういった意味では、信頼できる専門家に相談することが最も安心で近道なのかもしれない。


◆併せて活用したい「防犯フィルム」の有効性

今回、「カーセキュリティ」の基本について教えてくれたのは、全国的にその名を知られる京都のディテイリングショップ「ビーパックス」の井上代表だ。井上氏は、京都防犯設備士協会の理事や日本自動車用フィルム施工協会理事を務めるなど幅広く活動する人物。同社は、ディテイリングショップでありながら、20年に渡りカーセキュリティも手がけるという珍しいショップだ。防犯のスペシャリスト「防犯設備士」が在籍しており、オートアラームと合わせて、窓割りの侵入を防ぐための「防犯フィルム」も併せて提案できるのは同社ならでは。また、予算に応じたオススメのセキュリティプランもあり、初心者から上級者まで安心して相談ができるだろう。


全国的にその名を知られるディテイリングショップ「ビーパックス」。写真は京都店

【自動車豆知識】盗難から愛車を守る「カーセキュリティ」の今

《滝澤 俊次郎》

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