北海道最古の蒸気機関車が存続の危機!?…小樽市の アイアンホース号 が故障

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ボイラー回りの故障で、今後の運行が不透明になっている「アイアンホース号」。通常は火曜の閉館日と冬季を除く毎日運行されている。
ボイラー回りの故障で、今後の運行が不透明になっている「アイアンホース号」。通常は火曜の閉館日と冬季を除く毎日運行されている。 全 1 枚 拡大写真

小樽市の小樽市総合博物館はこのほど、蒸気機関車「アイアンホース号」の今シーズンの運行を、故障により10月19日から打ち切っていることを明らかにした。今シーズンは11月5日まで運行される予定だった。

アイアンホース号は、1909年に米国ポーター社が製造したテンダー式蒸気機関車で、北米各地の鉄道で使われた後、ミネソタ州のテーマパークを最後に米国を離れ、1994年に「来日」した。

現在、北海道内で動態運行されている蒸気機関車は、ほかにJR北海道のC11形(C11 171)、遠軽町の雨宮21号、三笠市のS304号があるが、この「アイアンホース号」は国産ではないものの、最も古い存在で、全国的に見ても最古級と言える。

小樽市総合博物館によると、今回の運行打切りはボイラー回りの安全装置の故障によるもので、修繕には1000万円を超える費用が見込まれるという。

現在、同博物館の車両保全費用は、ふるさと納税制度によって賄われているが、その残額は200万円を切っている。加えて、国内で蒸気機関車のボイラー修繕ができる企業は、大阪市北区のサッパボイラなどごくわずかで、急な依頼に対応してもらえない可能性があることから、来シーズンも含めて、この先の運行が苦境に立たされている状況だという。

とはいえ、石川直章館長は、「国指定重要文化財『旧手宮鉄道施設』を、実際の動きをご覧いただくために、この動態保存アイアンホース号の運行を継続していきたいと考えております」としており、引き続き、ふるさと納税制度を通しての支援を呼びかけている。

支援の申込みは、「ふるさとチョイス」サイトの「小樽市総合博物館の展示鉄道車両の保全事業」で受け付けている。

小樽市総合博物館本館は、北海道最初の鉄道駅のひとつである旧手宮駅構内を活用した施設で、明治~昭和期に北海道で活躍した鉄道車両を中心に展示。屋外に残る機関庫などの「旧手宮鉄道施設」は国の重要文化財に指定されている。最近では、故・石原裕次郎が所有していたロールスロイスの自家用車『シルバーシャドウ』が寄贈されたことが話題になっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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