引退した日本の寝台電車「583系」台湾に到着…鉄道工場跡の博物館で保存へ

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旧台北機廠に搬入された583系(奥)。英国製の台湾鉄路EMU100形(手前)と並ぶように設置された。
旧台北機廠に搬入された583系(奥)。英国製の台湾鉄路EMU100形(手前)と並ぶように設置された。 全 7 枚 拡大写真

JR東日本が台湾に寄贈した583系電車が、このほど台北に到着した。台北市内にある鉄道工場の跡地に整備される博物館で保存される。

583系は1968年にデビューした日本国鉄の特急形電車。車内には中央通路の両側に4人用ボックス席を設けているが、ボックス席は3段式寝台(一部は2段式)に変換することが可能。昼間は座席の特急列車として運転し、夜は寝台特急として運転できる。東北方面や西日本方面の特急列車を中心に運用されたが、今年4月に最後まで残っていた6両が引退した。

JR東日本と国立台湾博物館は今年8月、車両譲渡の合意確認書に調印。台湾鉄路管理局の鉄道工場「台北機廠」の跡地である台北機廠鉄道博物館園区に11月15日、583系の中間車2両(モハネ582-106・モハネ583-106)が運び込まれた。台北機廠は日本が台湾を統治していた1935年に完成。工場の移転に伴い2012年には閉鎖されたが、後に鉄道博物館として再整備されることが決まった。583系も博物館の収蔵品として保存される。

台湾行政院文化部によると、台湾でも日本統治時代の1922年に寝台列車が導入されたが、1982年に廃止。1995年には西部幹線の寝台車が全て解体された。文化部の鄭麗君部長は583系を譲り受けたことについて「台湾の鉄道史の再現であり、台日の鉄道文化資産の結び付きになった」としている。

海外の鉄道博物館で保存されている日本の鉄道車両は、JR西日本が英国の国立鉄道博物館に寄贈した0系新幹線電車などがある。韓国の鉄道博物館でも、日本が朝鮮半島を統治していた時代の朝鮮総督府鉄道で運用されていた蒸気機関車や、戦後に導入された日本製の気動車などが保存されている。

《草町義和》

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