北海道の高橋はるみ知事は、2月7日に開催された定例記者会見で、JR北海道から提案された、北海道新幹線札幌駅ホーム設置案の新案に対する見解を示した。
2月4日に東京都内で行なわれた関係者協議で出された新案は、北海道新幹線の建設主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が提案している1・2番線転用案(いわゆる「現駅案」)に難色を示しているJR北海道が、札幌駅の東側を南北に流れている創成川を跨いだ位置にホームを設置しようというもので、「大東(おおひがし)案」と呼ばれている。
この案に対して高橋知事は、「ここに及んで、また新しい案か、という思いは、率直にないわけではない」と難色を示した上で、「私どももデッドラインだと思っております今年度内の決着に向けて、最後の調整を加速的に進めていかなければならないかな」と述べている。
北海道としては、あくまで鉄道・運輸機構とJR北海道が統一した案を提示することを協議の前提条件としており、高橋知事は「10年、20年あるいは50年先の道都札幌市の駅前のまちづくり、地域づくりにも深く関与する問題でありますので、ぜひ、時間的ゆとりを持って、経済界の方々のご意見もしっかり踏まえた上で決着できるような、そういうタイミングでわれわれにご説明をいただきたい」と要望。近日中に鉄道・運輸機構とJR北海道から、札幌市とともに正式な説明を受けることを明らかにしている。
大東案については、札幌市の秋元克広市長が2月2日に行なった会見で、この案が過去にも提案されたことがあるとした上で、「一度消した話ですので、それがなぜまた浮上してくることになったのかというのは分かりません」と述べた。
さらに「私どもとしては、正式に、こういう案を俎上(そじょう)に乗せましょうとか、乗せてくださいというお話はいただいておりません」とも述べており、大東案が現時点で認識の外にあるという立場を取っている模様だ。
これらの見解を受けた鉄道・運輸機構、JR北海道、北海道、札幌市の関係4者は、2月9日に札幌市内で、大東案と現駅案を比較検討する協議を行なうことにしている。