外部パワーアンプを使いこなす…スーパーハイエンドの魅惑的な世界

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RSオーディオ『RS Master T Mono』
RSオーディオ『RS Master T Mono』 全 3 枚 拡大写真

「スピーカー交換」を実行した後に、そのスピーカーの実力をさらに引き出すための方法として、「外部パワーアンプ」の導入をおすすめする短期集中連載をお贈りしてきた。今回はその最終回として、「スーパーハイエンド・パワーアンプ」をクローズアップする。

超高級「外部パワーアンプ」とはどのようなモノであり、そしてどんなサウンドを聴かせてくれるのか、詳細に紹介していく。

■「スーパーハイエンド・パワーアンプ」は、“静けさ”が違う…。

上を見ればキリがないのがカーオーディオであるが、その“上”とはどのような世界なのかを紹介していこうと思う。

例えば、10万円の「2chパワーアンプ」があったとして、2万円ほどのメインユニットに内蔵されている「パワーアンプ」と比べたら、内部基板、パーツ等々に相当にコストがかけられていることは明白で、サウンドクオリティにおいても相応の違いが表れる。それが「スーパーハイエンド・パワーアンプ」ともなると…。

具体的に製品名を挙げて説明していこう。最初は、こちらを紹介してみたい。ドイツの「RSオーディオ」から発売されている『RS Master T Mono』。当機は「1chパワーアンプ」であるので、フロントスピーカーを鳴らそうとしたら、最低、2台が必要となる。で、気になる価格はなんと…、1台35万円(税抜)。フロントスピーカー用として最低必要台数の2台を用意するためには、予算を70万円計上しなくてはならないわけだ。

ちなみに、左右のスピーカーを鳴らすのに、片chだけに高級機を使うというやり方は、絶対にNGだ。ステレオ再生において、左右のコンディションを同一にすることは基本中の基本。例えばスピーカーを取り付ける際にも、右ドアにデッドニングを施工するのであれば、左ドアにもそれとまったく同じ状態で施工しなくてはならない。パワーアンプにおいてもそれは同様だ。

さて、そのサウンドであるが、ここまでコストがかけられていて悪い音がするはずもない。いろいろな部分で違いが出てくるが、特筆すべきは“静けさ”だろう。10万円の「パワーアンプ」の音を聴いて、その音に微細なノイズが乗っていることを耳で感じ取ることはほぼできないが、超高級品の音を聴くと、音と音のすき間や演奏がブレイクした瞬間に、“静けさ”を感じ取れる。もしも当機の音を聴ける試聴会などに参加したら、そのあたりには特に注目していただきたい。

■音の粒がどこまでもきめ細かく滑らか。1音1音のハリ、粒立ちも最高レベル…。

続いては、こちらもドイツ発の実力ブランド「グラウンドゼロ」を取り上げたい。こちらは「スーパーハイエンド」に特化したブランドではなく、市販カーオーディオ製品としては最エントリークラスとなる製品までも手掛けている総合ブランドである。その廉価な製品がまた、高いコストパフォーマンスを発揮してくれるので、初級ユーザーからも大いに支持を集めている。

その一方で、超ハイエンドモデルの開発にも積極的に取り組んでいて、理想の高音質を徹底追求するブランドとしても認知が広まっている。

さて「グラウンドゼロ」のトップエンドモデルとは…。上級モデルも多彩に取り揃えているのだが、その中で最高峰として君臨しているのはこちら、『GZPA Reference 2PURE』(2chモデル)だ。価格は72万円(税抜)。先ほど紹介した『RS Master T Mono』2台分とほぼ同等の価格となっている。

やはりこちらも、“静けさ”がケタ違い。そして、音の粒がどこまでもきめ細かく滑らか。1音1音のハリ、粒立ちも最高レベルと言っていい。低音のエネルギー感も素晴らしい。

なお、当機が属している最高級ライン『リファレンス・シリーズ』には、当機と同じく製品名に“PUREと付くモデルがもう1台ある。『GZPA Reference 4PURE』がそれだ。こちらの価格も72万円(税抜)であるが、こちらは「4chモデル」なので、1chあたりの価格は半分。であるので、サウンドの“スーパー”ぶりは『GZPA Reference 2PURE』のほうが上だ。しかしながらこちらでも最高峰クラスのサウンドが聴けることは確か。“超高級”なサウンドを手にしたいと思ったら、『GZPA Reference 4PURE』という選択肢があることも思い出そう。

■ド級の「パワーアンプ」、『オーディオ ウェーブ・CR-200X JDM』の実力は…。

そして最後は、「スーパーハイエンド・パワーアンプ」ブランドの“真打ち”とも言える、英国の「オーディオ ウェーブ」を紹介したい。当ブランドは、「高級パワーアンプ」の開発に特化したブランドである。そして、高音質を目指すことに一切の妥協を許さないメーカーとして、日本においてもハイエンド愛好家の間で注目が集まっている。

2chモデルのトップエンド機は、こちら、『CR-200X JDM』だ。その価格はなんと140万円(税抜)。

ここまでくると、サウンドは文字どおり“別格”。1音1音がとにもかくにもリアルなのだ。手を伸ばせば触れそうなくらいに、音の実在感がもの凄い。そして、演奏している現場にいるかのような感覚にも浸ることができる。

また、超高級品すべてに言えることであるが、良い「パワーアンプ」で音楽を聴くと、楽曲の感動力が高く、音の世界にぐいぐいと引き込まれる。抑揚を充実に再現できることや、音の質感の心地良さ等々がそう感じさせてくれるのであろうけれど、理由はともかく、切ない曲ではとことん切なさを感じさせ、楽しい曲では底抜けに楽しくなれる。スペックがどうという世界ではなくなり、ただただ感動するのみ…、そういう感覚を味わえるのだ。

なお、「オーディオ ウェーブ」では、『CRシリーズ』に続く「スーパーハイエンド」なセカンドラインも擁している。シリーズ名は『Aspire Pro(アスパイア・プロ)』。こちらは、2chタイプのスタンダードモデル『Aspire Pro』で60万円(税抜)。これでも十二分に高級であるが、『CR-200X JDM』と比べたら、手の届きそうな価格、と言える。

というわけで『CRシリーズ』と比べたら相当にリーズナブルであるわけだが、さすがは「オーディオ ウェーブ」と思わせるパフォーマンスは、存分に発揮してくれる。当シリーズの音も、一聴する価値は高い。

さて、「外部パワーアンプ」の良さと、使いこなし方等々を紹介してきた当特集は、これにて終了だ。メインユニットに内蔵されている「パワーアンプ」でも取り敢えずは音楽を楽しめるわけで、「外部パワーアンプ」は絶対に必要なものではない。しかし、コストをかけた分、大きな感動が得られることも確かだ。より高音質を楽しみたいと思ったら、これの導入をぜひとも検討していただきたい。使って後悔することはないはずだ。

「外部パワーアンプ」の使いこなし術を徹底解説! 第9回「スーパーハイエンド」の魅惑的な世界…

《太田祥三》

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