2018年春闘が大詰め…デンソーなどトヨタ系3社、親会社に先駆け異例のベア決着[新聞ウォッチ]

自動車 ビジネス 企業動向

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年3月13日付

●20年春入社、就活日程変更なし、経団連「21年」以降見直し検討(読売・2面)

●トヨタ系3社ベア1500円、トヨタ自より先に決着(読売・10面)

●財務省公文書改ざん、森友「特例」経緯削除、14件理財局指示明恵氏の名前も(朝日・1面)

●クルマの世紀、エコカーPR五輪が好機、東京都知事・小池百合子さん(朝日・17面)

●ネパールで旅客機炎上、71人乗り、着陸失敗、50人死亡(産経・28面)

●インドEV「30年に30%」数値目標を現実的に(日経・13面)

●三菱自、中途採用3割増、19年3月期、EV開発強化(日経・15面)

●八千代工業の軽、68億円で取得へ、ホンダ(日経・17面)

ひとくちコメント

「改ざん」と聞いて、不正に手を染めていた企業の関係者もドキッとしたのではないだろうか。とくに自動車メーカーでは1昨年の三菱自動車とスズキ、それに、この3月になって社長交代の記者会見の席で吉永泰之社長が認めたSUBARU(スバル)が、ガソリンなどの燃料1リットルあたりで走れる距離を示す燃費データを書き換えていた問題である。

燃費は消費者が車を購入する際の判断材料の一つとなるだけに、それが都合のいい数値に書き換えられると、消費者の信頼が損なわれるのは当然だろう。

その「改ざん」といういわゆる不正な書き換え行為を霞が関の官庁街で「最強の官庁」と呼ばれる財務省で、しかもエリート中のエリート官僚が、信頼を失墜する公文書を書き換えていたというのだから、開いた口が塞がらない。国民の不信の目が安倍政権にも広がるのは避けられないだろう。

もっとも、きょうの各紙を比べると「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書について「改ざん」と見出しを付けたのは、朝日、毎日、東京の3紙で、読売、産経、日経は「書き換え」としている。

ところで、「森友文書」の書き換え発覚の影で、例年になく盛り上がりに欠いているのが、2018年の春闘である。あす(3月14日)の集中回答を控え、賃上げ交渉が大詰めを迎えているようだが、春闘相場に影響を与えるトヨタ自動車の労使も、将来の競争力強化に向けた議論を継続中で、賃上げ水準を含め、交渉の着地点には到達していないという。

このため、トヨタグループのデンソーとアイシン精機、豊田自動織機の3社が、賃金水準を底上げするベースアップに相当する賃金改善分を、前年と同じ月1500円とすることで事実上決着。一時金も満額回答する見通しという。

きょうの読売や日経などは「これまではトヨタの妥結額を見て、グループ各社が賃上げ水準を決めるのが慣例だった。それが親会社のトヨタに先駆けてグループ各社の結論が先行するのは異例」と伝えている。

しかも、3社のベア実施は5年連続で、定期昇給と合わせ、デンソーは月8000円、アイシンは月7600円、豊田織機は月7800円の賃上げを獲得する模様。これとは別枠の手当も上乗せされるようで、安倍政権が掲げる「3%の賃上げ」はクリアするという。最先端技術を競う部品会社が賃上げに前向きなのは、待遇改善で優秀な人材を獲得したい狙いがある。

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  2. 一気に200馬力以上のパワーアップ!? アウディのスーパーワゴン『RS4アバント』後継モデルは電動化で進化する
  3. 日産『キャシュカイ』改良新型、表情を大胆チェンジ…欧州発表
  4. トヨタ『クラウンセダン』は違う---水素を使う理由と苦労をチーフエンジニアが語る
  5. 女性向けキャンピングカー「Nomad Lux」デビュー 5月3日初公開
  6. シトロエン C3エアクロス 新型、間もなくデビューへ…ティザー
  7. ピアッジオが創立140周年、記念してペスパの特別仕様を発売---140台限定
  8. 春爛漫の新潟に名車が集結…20世紀ミーティング2024春季「クラシックカー&バイクの集い」
  9. 「何にでもなれる自由な存在」グランドクロスオーバー、スズキ『GSX-S1000GX』の凄みとはPR
  10. ホンダ『N-VAN』一部改良、急アクセル抑制機能を装備…アウトドアスタイルの特別仕様も
ランキングをもっと見る