カーオーディオ専門店に訊く…DIATONEの2ウェイへのこだわりに共感

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アミューズ(広島県)。
アミューズ(広島県)。 全 12 枚 拡大写真

日本におけるカーオーディオ文化をけん引しているブランドの1つである、"DIATONE"。同ブランドが多くの愛好家に支持されている理由を改めて探るべく、今回は広島県のカーオーディオ専門店4店を訪ねた。それぞれで訊いた話を、4回シリーズで紹介している。

当記事ではその2回目として、福山市で活動を続ける実力店、"アミューズ"の岡本代表と、同店でシステムを組む車載用DIATONE愛用者の吉国さんから訊いた話を紹介する。

■「もっとも印象的な車載用DIATONEスピーカーは『DS-SA3』。ワクワクさせてくれるモデルだった」

今回は、プロショップ、そしてユーザーの両目線からの、"DIATONEスピーカー像"を探っていく。まずは岡本さんに、歴代の車載用DIATONEスピーカーの印象を振り返っていただいた。

「これまでの車載用DIATONEスピーカーの中で、もっとも印象深いモデルは何かと聞かれたら、迷わず『DS-SA3』(2006年発売)と答えたいですね。それ以前の車載用スピーカーにはない、独特な音色が聴けたんです。

好みの音でした。重厚で、高級感があって、雰囲気も好きでした。でも、鳴らすのは難しかった。特にミッドウーファーをコントロールするのが大変でしたね。試聴用のエンクロージャーに入れて鳴らすと制御できるのですが、クルマのドアに取り付けると制動させるのが特に難しかったんですよ。でも、取り付けるときにはワクワクしました。取り組み甲斐のある魅力的なスピーカーだったんです。

次に印象的だったのは、新素材"NCV"が初採用された『DS-G50』(2011年発売)でしょうか。当機から車載用DIATONEスピーカーは、扱いやすいスピーカーとして生まれ変わりましたね。音も変わりました。素直な、優等生的なサウンドになったと思います。

以後、車載用DIATONEスピーカーは安心して使えるスピーカーになりましたから、お客様にもお薦めしやすくなりましたね。その意味で、当機はエポックメイキングな製品だったと思います」

■「日本製の車載用スピーカーで音楽性豊かな製品はどれだろうと見渡したとき、最初に目に入るのは『DS-SA1000』」

現行モデルについてもお訊きした。

「『DS-SA1000』の音もとても気に入っています。"NCV"が使われるようになった以降で、もっともワクワクできるスピーカーになっていますから。素直に良い音だと思えますし、感心させられます。日本製の車載用スピーカーで音楽性豊かな製品はどれだろうと見渡したとき、最初に目に入るのは『DS-SA1000』じゃないでしょうか。

2ウェイであることにこだわっているところにも共感しています。ハイエンドを追求していくと、3ウェイに行き着く流れがありますが、"DIATONE"はトップエンドモデルにおいても3ウェイをラインアップせず、2ウェイの壁を越えることに取り組み、それを達成しました。

音を追求すれば、3ウェイにメリットがあることは事実です。しかし、ハードルは高い。取り付けは大がかりになり、パワーアンプのch数もケーブルも多く必要になります。コストパフォーマンスが高いとは言い難い。ですので、2ウェイで良い音を追求していくほうが現実的ですし、長く楽しめると思うんです。

『DS-SA1000』は高額ですので、その点ではハードルは高いのですが、3ウェイと渡り合えるポテンシャルを有しています。長く楽しめる、じっくりと高音質を追求できる製品だと思っています。

最新モデルの『DS-G300』も、良いスピーカーですね。8万円という価格が高いか安いかは考え方次第なのでしょうけれど、6万円クラスのスピーカーと比べたとき、2万円高いだけの満足度が得られることは確かです。お薦めしていきたいモデルですね」

■「エントリーモデル『DS-G20』を"ハイエンドの入門機"と捉え、装着を決意」

続いては、愛車のトヨタ・オーリスに、『DS-SA1000』を取り付けているという吉国さんから訊いた話を紹介していこう。まずは吉国さんの、"DIATONE遍歴"から紹介していく。

「車載用DIATONEを使い始めたのは、4年ほど前からです。サウンドコンテストに興味を持ち始めて、コンテストに出られるスピーカーを付けたいと考え、ショップで試聴して『DIATONE・DS-G20』に決めました。車載用DIATONEの中ではエントリーモデルですが、私としては"ハイエンドの入門機"だと感じられたんです。あと、聴き疲れしないタイプの音だったことも気に入ったポイントです。

そしてそれ以後、できるだけ良い音で聴きたいという気持ちが強まり、システムアップを重ねてきました。『DS-G20』を装着して1年経つか経たないかのタイミングでスピーカーを『DS-G500』に換え、その後にメインユニットを『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ100PREMI』に換えました。

ここ数年は特に、音楽はクルマの中で聴く、というライフスタイルに変化していて、自分にとってカーオーディオの音質向上の必要性が高まってきたんです。以前は家で音楽を聴く時間が長く、ホームオーディオに手をかけていたのですが。

同時に、サウンドコンテストにも継続的に出場するようになり、それに向けて音を磨いてきたという部分もあるのですが。とは言ってもコンテストに出るのは年に2回くらいで、ビギナー的な楽しみ方にとどめています。主眼は、日々良い音を聴きたいというところにあります」

■「いつか欲しくなるのなら、遠回りはせずに最初から…」

吉国さんのシステムアップはその後も続いた。

「2016年の秋に、さらなるバージョンアップを計画して、メインユニットを『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ200PREMI』に換え、合わせてスピーカーも他社のハイエンドモデルに換装しようと考えました。そのときに、"DIATONE"から『DS-SA1000』が発売されたんです。店頭の試聴機で聴いて、とんでもないスピーカーが出たな、と思いました。

でも、手を出せる価格ではなかったので、一旦は諦めました。しかし…。いつかはこれを付けたくなるだろうな、とも思ったんです。回り道をしてこれに行き着くのなら、最初から奮発したほうが良いのかも、という気持ちが湧いてきました。

思案した結果、メインユニットの交換は諦めてその分の予算も『DS-SA1000』に回す、というプランに変更したんです。

それ以後、コンテスト会場等々で他の車載用スピーカーの音を聴いても、『DS-SA1000』が自分にとってのベストであるという確信は揺らいでいません。ナチュラルで、そしてジャンルを選ばずそつなく鳴らせるところも気に入っていますし、長く聴いていたくなるサウンドだと思っています。

ところで私も、フロント2ウェイでどこまでの音が出せるのかを追求したいと考えています。"DIATONE"を使う以前には実は、フロント3ウェイを組んでいたこともあるんです。そのころはiPodをソースユニットとして使って、単体DSPを導入していました。しかしシステムが大がかりになることや、車載機でないソースユニットを使うことに疑問を感じてもいました。

今はシステムもシンプルです。そして、DAPも敢えて使わずに、ソースユニットは『DIATONE SOUND.NAVI』で完結させています。使いやすくてシンプル、それが1番な気がしています」

■5月27日開催予定の『中四国オートサウンドフェス』に向けて、さらなるシステムアップも検討中。

ちなみに吉国さんは、5月27日に愛媛県今治市"道の駅多々羅しまなみ公園"で開催される『中四国オートサウンドフェス』へのエントリーを予定しているとのことだ。そこに向けていよいよ、外部パワーアンプの導入も計画しているという。

岡本さんがこう教えてくれた。

「当店からは他にも、車載用DIATONE製品を搭載したクルマが何台かエントリーする予定です。吉国さんのおクルマをはじめDIATONE搭載車の音をお聴きになりたいと思われたら、気軽に声をかけていただきたいですね。当日は本部テントにいますので。会場にはDIATONEのメーカーデモカーも来場予定です」

さて、「2ウェイで良い音を追求する」というアプローチも確かに、カーオーディオの楽しみ方の1つである。その具体的なサウンドを確認したいと思ったら、『中四国オートサウンドフェス』は、絶好の機会になりそうだ。または、お近くの"DIATONE認定店"まで、ぜひ。

カーオーディオ専門店に訊く。「DIATONEのここがイイ! 第2回 『2ウェイへのこだわりに共感』」

《太田祥三》

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