【SUPER GT 第1戦】塚越&小暮のNSXがポール・トゥ・ウイン…GT500クラスは決勝もホンダ1-2、山本&バトンが2位に

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#17 NSX(写真先頭)は、波乱万丈な展開ながらもポール・トゥ・ウイン。
#17 NSX(写真先頭)は、波乱万丈な展開ながらもポール・トゥ・ウイン。 全 16 枚 拡大写真

SUPER GT開幕戦は8日、岡山国際サーキットで決勝300kmレースを行ない、GT500クラスはKEIHIN NSX-GTの塚越広大&小暮卓史がポール・トゥ・ウイン、コンビ結成後では初となる優勝を飾った。2位には山本尚貴&ジェンソン・バトンが入り、ホンダ勢が1-2フィニッシュ。

決勝日も岡山国際サーキットの天候は“微妙”なまま。午前中は今日こそ晴れ~曇りで推移するかと思われたものの、サポートレースのポルシェカレラカップジャパンが実施されていた途中、正午頃にはまたもや雨が降ってきた。まさに「山(に近い地域)の天気は分からない」を地で行く天候状況のレースウイークだ。

それでも午後2時40分のパレードラップ発進を前にした段階以降は晴れ~曇りで天候は落ち着き、82周の決勝レースはドライコンディションのもとで戦われることになる。ただ、温度条件も予選日同様、時季外れといっていい低さが続いており、タイヤのマッチング、そしてタイヤをいかにうまく発動させるかが勝敗のカギを握ることになりそうだ(スタート直前の気温は11度、路温は22度)。

ローリングスタートからの開戦直後、2番手以降には大きめの順位変動もいくつかあったが、#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大&小暮卓史/ブリヂストン=BS)は小暮がポール発進から後続のチャージを懸命に防ぎ、トップの座をキープすることに成功する。

1周目、一気に2~3番手に上がってきたのは予選8位と6位だった日産勢2騎、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R. クインタレッリ/ミシュラン=MI)と、#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(J-P. デ・オリベイラ&高星明誠/ヨコハマ=YH)。しかし、この2台はジャンプスタートを取られ、23~25周目にドライブスルーペナルティで後退することになってしまう。

その後、#17 NSXを追いかけたのは、予選9位から浮上してきた前年王者 #1 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N. キャシディ/BS)。2台のGT-Rがペナルティで下がる前にその一角を攻略していた#1 LC500は、25周目に2番手となってから#17 NSXとの差も詰め、38周目には首位奪取を成し遂げる。

やがてレース中盤、各車のルーティンピットが前後しながら行なわれていくが、そのなかで#17 NSXは#1 LC500の前には出ることになるものの、その前に#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&J. バトン/BS)に逆転されていた。バトンから山本へとつないだ#100 NSXはタイヤ無交換作戦を敢行、そこで時短を果たし、実質のトップに浮上していたのだ。

しかし、#17 NSXのステアリングを小暮から引き継いだ塚越は44周目にコース上で#100 NSXをパス。そして終盤、#100 NSX 山本からの反撃も見事に抑え切って、ポール・トゥ・ウインを決めるのであった。

実は最終盤、塚越の#17 NSXのフロントには、他車同士のアクシデントによる脱落破損パーツを拾ったと見られる“ツノが生える”というまさかの状況もあったが、これが戦局に大きな影響を及ぼすことはなく、#17 NSXは無事に優勝を飾った。チーム(リアルレーシング)と塚越にとっては2010年以来の勝利、塚越×小暮コンビでは3年目の初優勝となった(小暮は2013年以来の勝利)。

#17 NSX 塚越広大のコメント
「ずっとリアルレーシングで走っていて、2010年以来勝っていないということに関しては、僕としても足りない部分があるんだ、と感じていました。応援してくれているみなさんへの恩返しができたと思います。小暮さんはタイヤのウォームアップが大変な状況だったと思いますけど、1周目にトップを守ってくれた。あれが大きかったですね」

#17 NSX 小暮卓史のコメント
「チーム、スポンサー、そしてホンダ、多くの人たちの協力のおかげで優勝することができました。本当に、心から嬉しく思います。塚越選手が#100 NSXをパスしてくれたところ、あれが今日のポイントだったと思います」

互いの好プレーを讃え合い、チームやホンダ、関係者への感謝を語る“超エースコンビ”。彼らとチームのケミストリーが、NSXの戦闘力アップとともに実力完全発揮の域に到達したと見てよさそうだ。

この勝利には、往年の名手、レーサー出身の金石勝智監督ならではの好プレーもあった。塚越によれば、最終盤のツノが生えた状況は塚越には無線で知らされていなかったという。コクピットからは見えない位置であり、塚越は「(レースが終わるまで)知りませんでした。ドライバー出身の監督ならではの配慮だと思います」と語っている。まさに陣営一丸の勝利であった。

そして2位は#100 NSX。タイヤ無交換作戦成功で、予選5位からの2位フィニッシュだ。今季がSUPER GT初のフル参戦となる“新人”、2009年F1王者バトンは、「やはりタイヤのウォームアップには苦労したし、かなりクレイジーな状況のオープニングラップでもあったけれど、グレートな経験になったよ。GT300クラスのトラフィックも大変だったけど、レースをエンジョイできた。いいシーズンスタートが切れたと思う」と笑顔で今季初戦を振り返っている。

ホンダ1-2の後方、3位は#1 LC500。4位もレクサス勢で、#6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也&F. ローゼンクヴィスト/BS)が続いた。小林可夢偉が加入した#39 DENSO KOBELCO SARD LC500(H. コバライネン&小林可夢偉/BS)は今回12位。

5~7位は日産勢。ペナルティで後退した#23 GT-Rが5位まで追い上げ、同様の経過を辿った#24 GT-Rも6位となっている。7位は#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(本山哲&千代勝正/MI)。

今年も波乱万丈な幕開けとなったSUPER GT、第2戦はゴールデンウイークの富士スピードウェイが舞台だ。5月3~4日の開催で、通常のレースよりも長い500kmレースとなる。開幕戦の結果を受けてウエイトハンデも機能をはじめるなか、世界有数のロングストレートを有する富士で、2018年のGT500は次なる局面を迎える。

《遠藤俊幸》

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