【F1 バーレーンGP】復帰4季目、ホンダが最高位の4位に…殊勲の新人ガスリーとホンダ陣営首脳から喜びの声

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ガスリーとホンダの田辺氏。
ガスリーとホンダの田辺氏。 全 8 枚 拡大写真

現地8日に決勝レースが実施された今季F1第2戦バーレーンGPで、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが4位に入賞した。これは2015年にホンダがF1復帰して以降の最高位。ガスリー、そして田辺豊治 ホンダF1テクニカルディレクターの喜びの談話がホンダから公表されている。

2015年からパワーユニット(PU)供給者としてF1に復帰したホンダは、昨季まではマクラーレン(英国)と組んでいた。しかし、かつて1988~92年に80戦44勝という強さを誇った黄金タッグは最高位5位という成績にとどまり、今季2018年に向けては“離縁”が決定。ホンダは新たにトロロッソ(イタリア)と組み、復帰4季目に臨むこととなった。

開幕戦ではマクラーレン(今季はルノー製PUを搭載)の後塵を拝するなど、心情的にも厳しい船出になったと思われた新生トロロッソ・ホンダだったが、2戦目で状況は一気に好転した。昨年終盤にF1デビューし、フル参戦は初めてになる“新人”のピエール・ガスリーが予選6位となり、他車のグリッド降格ペナルティによって5番グリッドからスタートした決勝レースで4位に入ったのである。

運もあった。3強チームの一角であるレッドブルが今回は2台ともレース序盤で姿を消し、残るフェラーリ、メルセデスの4台のうち、フェラーリのキミ・ライコネンもピット作業時のアクシデントで戦線を離脱。しかし、ガスリーとトロロッソ・ホンダは3強チーム以外の首位を実質的にほぼ守り通したといっていい素晴らしい内容で走り、望み得る最高の結果を手にした。

ピエール・ガスリーのコメント
「信じられない気分だよ、最高の一日になった! トロロッソとホンダが組んで2戦目にして4位に入れたというのは驚くべき成果で、とても嬉しく思う。チームには本当に感謝している。ケビン・マグヌッセン(ハース)とはいいバトルが展開できたし、レースペースはすごく良かった。チームが僕に『4位のチャンスがある』と伝えてくれて、最後まで全力を尽くしたよ。マシンは初日から素晴らしい感触で、今日は全開でプッシュできた。ハースを引き離すことが狙いだったけど、充分なペースが僕たちにはあったんだ。この喜びが覚めるのにはもう少し時間が必要だ。今夜はチームと思い切り楽しみたい」

田辺豊治 ホンダF1テクニカルディレクターのコメント
「今日はエキサイティングなレースのなかで、両ドライバー(ガスリーとブレンドン・ハートレー)ともに安定したレースを見せ、2台とも完走できたことに満足しています。特にガスリー選手は週末を通して非常に素晴らしいパフォーマンスを見せていました。ホンダとして2015年のF1復帰以来最高の4位という結果をもたらしてくれたことに感謝しています」

「開幕戦でのPUトラブルの後、(栃木県の)HRDさくらと(英国の)ミルトンキーンズにいるメンバー全員が、本当に懸命に作業を続けてくれました。その努力が今日の結果にむすびついたと思っています。また、ここまでの信頼性改善と、トロロッソによるシャシーのアップデートにより、パッケージとしての着実な進化を感じています。今夜だけはこの瞬間を楽しみたいと思いますが、まだまだ始まりにすぎません。また明日からは、次週、上海での中国GP(15日決勝)に向けた準備に全力で取り掛かります」

ホンダはこのオフにF1参戦体制の見直しも行ない、強かった第1次マクラーレン・ホンダでゲルハルト・ベルガーの担当エンジニアを務めるなどしてきた田辺氏が現職に就任。バーレーンGPのチェッカーフラッグを振るのがベルガーさんだったというのは縁を感じさせるところだ。

また、フランス出身現在22歳のガスリーは、トロロッソをジュニアチームとするレッドブルの系列ドライバーとして2016年にGP2(現FIA-F2)のチャンピオンとなったが、昨季はF1のレギュラーシートを得ることが叶わず、日本のスーパーフォーミュラに転向してきた経緯がある。そして、ホンダエンジンでシリーズ2位になる活躍を演じているうちに、トロロッソとホンダの今季(18年)共闘が決まり、自身もF1昇格を果たすという、これも縁ある流れであった(昨季終盤のF1にガスリーはルノー製PU搭載のトロロッソで参戦)。ガスリーは日本のファンにとっても、特に応援したくなる背景のあるドライバーといえよう。

今後の戦いにも期待は高まるところだが、これで一気にトップ戦線へ、というほど簡単な話でないのも確か。トロロッソのフランツ・トスト代表も、「もちろん今回は上位にリタイアもあっての結果なのだから、毎戦4位になれるというわけではない」との旨を語り、気を引き締める。開幕戦と第2戦でガラッと自陣の戦況が変わったことを思えば、他陣営に今後、同じような戦闘力アップが見られても不思議はない。ただ、「このレベルのパフォーマンスを維持していく自信はあるし、すべてのレースでポイント(10位以内)は狙えると思う」ともトスト代表は語り、手応えがあることもまた、確かなようだ。

日本人ドライバーの参戦も絶えて久しいF1。やはりトロロッソ・ホンダの躍進には様々な面での期待がかかる。次戦中国GP以降も注目したい。

《遠藤俊幸》

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