日野・VW提携、親会社トヨタからも「ぜひ進めてください」とお墨付き[新聞ウォッチ]

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日野・VW提携
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年4月13日付

●日野とVW提携へ、商用車、EVや自動運転開発(読売・1面)

●五輪選手輸送は首都高、選手村と競技会場の間(読売・29面)

●タカタ社名消滅へ、高田社長退任、事業譲渡が完了(朝日・8面)

●VW経営刷新CEO交代へ、欧州で報道(朝日・8面)

●ヤマト無人配送実験へ、自動運転、藤沢で公道封鎖へ(毎日・7面)

●北京に「松下記念館」パナソニック来月開設(毎日・7面)

●熊本・おしろタクシー、全車EV燃料費削減に期待(産経・10面)

●東南アジアにミニバン輸出、三菱自、インドネシアから(日経・13面)

●車載電池中国販売5倍に、パナソニック、22年メド(日経・15面)

ひとくちコメント

「『ぜひ進めてください』というコメントをいただいている」と、日野自動車の下義生社長兼最高経営責任者(CEO)は、50.1%を出資している親会社のトヨタ自動車との資本関係については「全く変わらない」ことを強調した。

どこかで聞いたセリフのようだが、森友学園への国有地の払い下げ事件に関連して安倍昭恵夫人が「いい土地ですから、 前に進めてください」と森友学園側に伝えたことが財務省の決裁文書に記載されていたことを思い出す。

その話はともかくとして、トヨタグループの日野自動車と独フォルクスワーゲン(VW)が、トラックやバスを扱う商用車事業で包括的な提携関係を結ぶことで合意した。

4月12日午後3時から両社のトップが都内のホテルで共同記者会見を行うとの連絡が入ったのは午前9時過ぎだったが、その日の日経夕刊には1面トップで「日野とVW包括提携へ」と取り上げていた。

きょうの各紙も記者会見の内容を中心に、朝日が1面トップ、読売も1面3段記事で報じたほか、各紙も経済面など大きく取り上げている。タイトルを見れば「自動運転や販売強化」(毎日)をはじめ、「EV化商用車も激戦」(読売)、「トヨタ系、ライバルと組む」(日経)や「トヨタからも協業後押し」(朝日)などに集約される。

自動運転や電動化など次世代技術の共同開発のほか、部品調達や販売面の協力などを進め、両社で競争力の強化を図るのが狙いのようで、乗用車では最大のライバル同士が、商用車の分野では手を組んで生き残りを模索するという。

親会社のトヨタで1年間の帝王学の“研修”を終えて、昨年6月に初の生え抜きとして就任した日野の下社長によれば「商用車には乗用車開発の延長線上だけで対応できない技術や課題も多く、我々の顧客の運送会社や多くの人命を預かるバス会社は、乗用車の顧客とは社会的責任や価値観も違う」と話す。

加えて、下社長は「商用車はいかに効率良く動くかという『道具』だ」とも割り切る。たしかに、「走る歓び」を追求して「もっといいクルマ」づくりを目指す親会社とは開発などの考え方も異なる。

今回の日野とVWの提携は「子どもの親離れなのか」とも「親が子供の自立を促したのか」との、どちらとも受け取れるが、「100年に一度の大変革期」に生き残るためには、お互いのメリットがあれば、国籍も資本系列も関係なく戦略的な協力が欠かせないという証でもある。

《福田俊之》

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