ホンダ N-BOX に「スロープ仕様」…“営業のカベ”超えるために操作手順半減

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ホンダN-BOXスロープ仕様
ホンダN-BOXスロープ仕様 全 3 枚 拡大写真

ホンダは4月19日、軽乗用車『N-BOX』に車椅子での乗降ができる「スロープ仕様」を設定し、20日に売り出すと発表した。スロープの形状や専用装備などを見直し、従来モデル比で操作手順を半減させたのが最大の特徴だ。

折りたたんで荷室に収容するアルミ製のスロープは、そのままフラットな床になるようにしており、重量も4.5kg軽量化したため操作しやすくなっている。また、従来は後席のヘッドレストを外す必要があったものの、スライド式で簡単にシートに収容できるようにした。こうした機構や部品の改良によって、車椅子を迎え入れるまでの操作手順は11工程から5工程と半分弱にした。操作時間は3分の1程度に短縮したという。

車椅子での乗降ができるものの荷室スペースは通常のモデルとほぼ変わりなく、またカラーバリエーションも同一にしている。いわゆる福祉車両だが、通常の用途にも支障がないように配慮した。開発責任者である本田技術研究所四輪R&Dセンターの白土清成主任研究員は、「超高齢化社会を迎え、家族に車椅子を使われる方がいるのが普通になってくる。車椅子を利用しない普段使いも便利にできるようにした」という。

また、使い勝手を良くするため操作手順を大幅に簡素化したが、これには販売店で営業担当者が顧客に説明しやすくする狙いも込めた。白土氏は「従来モデルでは手順が複雑なので、営業担当者には説明しづらさがあった。いわば“営業のカベ”であり、そのカベを壊すためにも操作手順にこだわった」と強調した。

電動ウインチなど「車椅子専用装備」と、それが付いていないタイプを選べるようにもなっており、4輪駆動車も含め、全16タイプと幅広いバリエーションにした。価格は157万円台から227万円台で、車椅子専用装備搭載車は消費税が非課税になる。年間の販売計画は7500台で、従来モデルの実績より25%程度の拡大を図る。

《池原照雄》

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