マツダの次期社長に内定した丸本明副社長は5月11日に都内で会見し「ここ2~3年稼ぐ力が低下してきているので、これを解決していくことが最重要課題」との認識を示した。
丸本副社長は「マツダはお客様に一番近いブランドになること目指して、ブランド価値経営を推進している。しかしながら、まだまだ道は半ばであり、今後も継続、強化が必要である」と強調。
さらに「課題は山積みである」とした上で、「その中でとくに足元を考えていくと、やはりここ2~3年稼ぐ力が低下してきているので、これを解決していくことが最重要課題と認識している。昨年度決算の販売領域の収益をみるとマイナス250億円。これはアメリカが500億円減っていて、その他の市場が250億円改善しいている。アメリカ以外の国々は結構頑張ってくれているが、やはり米国市場はマツダにとって収益源、当然ブランドの面でも最重点市場だと認識している」と述べた。
会見で、丸本副社長を後任に選んだ理由を問われた小飼雅道社長は「シャシー関係のバックボーンを持っていて、新型車の全社のリーダーというのも担当した。その後、品質部門とか、海外のフォードとのジョイントビジネスなども経験し、経営企画という当社の中長期の戦略部門も経験しているので、非常に幅広い、重要な職場を歴任してきた」と紹介。
その上で「つまり会社の強み、会社の課題に熟知した人材なので、今後のSKYACTIV第2世代の商品を出して成功裏に導いていく上で、全社をしっかり、強みを生かしながら、課題を克服しながら運営できるそういう人材ということで判断した」と明かした。
丸本副社長は様々ポストを経験したが、中でも新型車の開発主査と経営企画を担当した時期が「いずれも辛くて苦しいことしか思い出せない」とか。しかし丸本副社長は「主査時代の仕事は自分の成長にとって大きな糧になったと思う。経営企画担当時代は世界経済も激変したし、弊社にとってもいろいろな変化があった。その中で非常に高い授業料になったが、安定的な経営をしていくための多くの学びを得たと感じている」と振り返った。
一方、シビアで厳しいとの社内外での評価があることについて丸本副社長は「確かに自他ともに認める厳しくて、極めて短気であるという性格」と認めつつも、「これまでそれでやってきたが、社長就任以降は、やはり自分の意見をいうことも当然だが、意見を引き出す、意見を聞くということのバランスをとって、とにかく役員とは真摯に話し合って、腹打ちして、決めたら呵成に実行するというマネジメントを目指したいと思っている」と抱負を語っていた。