「ギアが変わった」自工会 豊田会長が、東京オリンピック・パラリンピックで自動運転を目指す理由

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「自動運転の目的は安全運転、交通死亡事故ゼロを目指す」と、豊田章男自工会会長が言い続ける理由(18日・港区)
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18日、日本自動車工業会の新会長に就任した豊田章男氏は、2日連続の会見に臨み、積極的に自動車産業と未来のモビリティ社会を語った。ひときわ熱く語ったのは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに込めた希望だった。

トヨタ自動車はオリンピック・パラリンピックを強力に支援する企業のひとつだ。豊田氏は東京2020競技大会組織委員会副会長でもある。この年に、自動車業界は自動運転に代表されるなど先進安全自動車を実現し、大会期間中の東京をそのショーケースにしようと目論んでいる。このロードマップだけをたどると、自動車業界はまるで日本と五輪を商業利用しようとしているかのようでもある。

豊田氏の会見は、こんな一言から始まった。

「自動運転という言葉が最初に出てきた時、私は抵抗勢力というか反対派だった。それが変わったのがオリンピック・パラリンピックとの出会いだ。あるパラリンピック競技者から、『私の未来を奪ったのは交通事故でした』という話を聞いた。そして『私の未来を作るのも自動車ですね』と言われた時、自動運転への取り組みに対してのギアが変わった」

豊田氏が自動運転に否定的だったのは、人間の感性がいかに優れ、自動運転の開発がいかに困難を伴うかを理解していたからだ。

「誰も走ってない道を安全に走るというのは今でさえ可能。だが、本当の交通流というのは、いろんなところで分岐合流があり、その同じ道を人・バイク・自転車、それから大小のクルマ、速い車遅い車が混流している。そんな中でぶつからずに走るということが難しい」

「しかし、自動車業界として、オリンピック・パラリンピックに深くかかわる者として、すべての方々に移動の自由を、ということを考えた時に、自動運転は大きな援助になると思った。私が自動運転の目的は安全運転、交通死亡事故ゼロを目指すこと、と繰り返すのはそういう理由だ」

交通事故ゼロの自動運転の実現は、安全な車両だけでなく、ドライバーや自動運転のための道路や地図などのインフラ整備が整って実現する。

「3つがシンクロナイズした深さで開発が進んでいかないと難しい話だが、当事者の一人として推進したい」

僕の運転と自動運転が24時間レースで競って、自動運転が僕に勝ったら自動運転を信用する……。豊田氏はトヨタ一の抵抗勢力だった。それが一転、強力な推進役になったのだった。
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《中島みなみ》

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