トヨタ、FCスタックと高圧水素タンク生産設備を拡充 2020年以降のFCV販売拡大に対応

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本社工場敷地内に建設中のFCスタック生産用建屋
本社工場敷地内に建設中のFCスタック生産用建屋 全 7 枚 拡大写真

トヨタ自動車は5月24日、2020年頃以降の燃料電池自動車(FCV)の販売拡大に向け、燃料電池スタック(FCスタック)と高圧水素タンク生産設備を拡充すると発表した。

トヨタでは、2020年頃以降、FCVをグローバルで年間3万台以上販売することを目指している。現状年間3000台レベルからひと桁増となる生産レベルに対応するために、FCVの基幹ユニットとなるFCスタックと燃料の水素を貯蔵する高圧水素タンクの生産設備を拡充。FCスタック生産設備は、愛知県豊田市の本社工場敷地内に新たな建屋を建設、高圧水素タンクは、愛知県みよし市の下山工場内に専用ラインを新設する。

今回、生産設備を拡充する背景は、2020年代からのFCVラインアップ強化による販売増に加え、2017年2月より東京都に販売を開始した燃料電池バス(FCバス)や、豊田自動織機が2016年秋より販売を開始した燃料電池フォークリフトなど、FCスタック・FCセルや高圧水素タンクの活用が拡がり、供給を十分に支えられる生産能力を備える必要があるためだ。

また、トヨタはグローバルでのFCV販売拡大のために、海外での販売国・地域を拡大、日本では、現在の4大都市圏中心からさらに対象地域を拡げていくことも検討している。

トヨタは、FCV『MIRAI』を2014年12月に日本で発売、2015年秋からは米国・欧州でも発売し、年間生産台数は2015年が約700台、2016年は約2000台、そして2017年以降は約3000台と、年々増加させてきた。将来のFCV普及のためには、2020年代に本格的な普及期に入ることが必要だとし、2020年頃以降、MIRAI等のFCVやFCバスなどの販売を、グローバルで年間3万台以上を目指す。

現在、MIRAIは、日本・米国・欧州9か国、計11か国で販売している。さらに豪州・カナダ・中国・UAEでMIRAIの走行実証を行い、FCVの需要性把握や水素ステーション整備促進に向けた取り組みに協力するなど、将来のFCV販売国・地域の拡大に向けた環境整備を進めている。また日本では、2020年頃以降は少なくとも月に1000台レベル、年間では1万数千台程度の販売を目指しており、販売地域は、現在の4大都市圏中心からさらに対象を拡げたいとしている。またFCバスについては、東京都に2017年2月に2台、2018年3月に3台販売し、今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、100台以上の販売を目指すとしている。

《纐纈敏也@DAYS》

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