マツダ アテンザ 改良新型、インテリアはフルモデルチェンジに近い飛躍

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マツダ アテンザ 改良新型
マツダ アテンザ 改良新型 全 38 枚 拡大写真

マツダ 『アテンザ』の改良は、モデルライフ途中のいわば「マイナーチェンジ」に相当するが、インテリアではフルモデルチェンジに近い飛躍を果たしていることが印象的だ。

インテリアは「将来に向かって、大きく変更させました」とデザイン本部の玉谷聡チーフデザイナー。「新型車を開発するのと同じくらいのエネルギーが費やされています」という。しかし3年前の改良でも、インパネ形状は大きく変更されている。今回はどのような理由で、さらなる変化が必要だったのだろうか。

面をコントロールしたインパネ

15年の改良では「インパネではワイド感、センターコンソールでは前後を貫くスピード感を強調。同時にソフトパッドを使うことで品質を向上させるなどしました。でも実はインテリア全体で、もっと左右のワイド感を表現したいという理想があったのです」と玉谷氏。

そのためには開発部隊全体での取り組みが必要で、それが今回のタイミングでは実現できたということのようだ。「前回も今回も、次世代のビジョンに向けての正常進化です。次世代モデルが持つデザインの先取りという形で、今回の採用となりました」と話す。

たとえばインパネでは、センター部と左右で高さが異なっていたエアコンのルーバーの高さを同じに揃えた。他車種と共用している空調スイッチも、インジケーターを他の場所に移すことでスリムかつワイドなものにしている。水平方向の伸びやかさや広がりを強調した形状になったわけだが、ただ広がり感を強めただけではないという。

「センターから両サイドに向かって、ボリュームや光が変化してゆくように面のコントロールをしています」とのこと。「インパネのスピード感がドアトリムにも続いてゆくように、トリムの陰影が後ろに向かうにつれて消えてゆくようにしています」と玉谷氏は説明する。

異素材の織りなす上質感

新型のインテリアでは、シートのデザインやツートーンのカラーも変更された。シートはフレームも新たに設計され、それに合わせてスタイリングも変えたという。「実際に乗り心地も向上していますので、形でもそれを表現しようと、柔らかいフォルムにしました」とのこと。サイドの樹脂カバーのボリュームもほとんどなくし、可能な限りソフトな表皮材で覆うようにすることで、柔らかく座らせる機能を表現したという。

さらに、レザーパッケージのツートーンカラーにも手が加えられている。「この最上級グレードで表現したかったのは、大胆な人格の強さや、意思の強さ」だと玉谷氏。そこでまず、色分けをいっそう大胆なものにしたという。そのなかでレザーやバックスキン調人工皮革、本杢パネルなど複数の素材をあしらい、メタル加飾で引き締める。玉谷氏は「全体は大胆な色分けですが、よく見れば異素材がきっちりとはまり込んでいる。これで質感高い、大人っぽいコーディネーションとしています」という。

なおツートーンに使われている「オリエンタルブラウン」は新開発。この色を手がけたデザイン本部プロダクションデザインスタジオ・カラー&トリムデザイングループの保坂美有デザイナーは、日本の神社仏閣が持つ、独特な雰囲気に着想を得たという。「日本人が落ち着きや安らぎを覚える、伝統的な木造建築の空間。その雰囲気や、そこへ入ったときに湧き上がる思いを表現したかったんです」(保坂デザイナー)。

経年変化で乾き、枯れた雰囲気になってゆくが、同時に温もりも感じさせるのが木材の美点。「そうした、時代を経てきたものの美しさがテーマです」と保坂デザイナー。そうした繊細な感覚を表現することで、日本のブランドならではの上級感につながるという判断だったのだろう。

本杢パネルは日本原産の「セン」という樹木の、柾目(まさめ)をそのまま使用。「直線的だけれども揺らぎがある。素材の表情をそのまま見せています」と、同グループの星正広アシスタントマネージャー。あえて不均質なものをそのまま見せる理由は「素材の風合いや表情を引き出したかった。素材が持つさまざまな表情を組み合わせることで、全体空間の中で素材の質感を調和させたかったんです」という。

シートのナッパレザーにゴツゴツしたシボをあしらったのも、革の風合いを出すため。バックスキン調素材のウルトラスエード・ヌーを採用した部分では、光が差すと不均一な表情を見せる。「全体空間がきちんと整理されていて、しかし退屈な造形にならないよう、微妙なコントロールで全体をコーディネートする」ということが狙いだったと玉谷氏は説明する。

《古庄 速人》

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