3代目パーツは使えるのか? ジムニー 新型が本格4WDと言われる所以

自動車 ニューモデル 新型車
新型ジムニー
新型ジムニー 全 24 枚 拡大写真

5日、正式に発売となった新型スズキ『ジムニー』と新型『ジムニーシエラ』は、すでに納車まで半年以上待つという人気ぶり。20年ぶりとなる新型は、設計に4年以上かけ、軽量化やアクティブセーフティ機能など、細部が新しくなっている。

初代発売からはじつに48年というロングセラーカーのジムニー。4代目となる今回の新型では、ジムニーの原点回帰を設計コンセプトに、悪路、山岳路、積雪路でもプロの作業者から、山間部の生活の足、趣味の領域まで納得できる本格4WDをめざしたという。

スクエアボディは、ピラーが視界を遮ることもなく、車室内のユーティリティスペースを最大限にする。ヘッドライトなどのアイコンはしっかり踏襲し、ジムニーらしさはむしろ初代に近く、堅牢なイメージになっている。

助手席正面、ダッシュボードグリップが車高の高いジムニーの乗り降りをサポートしてくれる。センターコンソールのスイッチ類も作業グローブをしたままでも操作しやすいように、大きく、しかも分割して配置されている。フロントシートは2つともセミバケットタイプとなり、悪路でも一定のホールド性を保つ。ステアリングにはチルト機構も備わり、どんなドライバーもベストポジションを保てる。

リアシートと助手席を倒すと、ほぼフラットな荷室空間を作ることができる。うれしいのは、リアラゲッジ部に何か所もネジ山が切られた穴があけられており、ラチェット式ベルトやラッシングベルト、カンガルーネット用のフックを取り付けられる。オプションで専用フックも用意されているが、アンカーボルトを取り付ければカラビナも利用できる。

荷室を上下二段にしたい場合は、これらの穴を利用してハードタイプの棚を渡したりできる。ウィンドウの上縁からルーフまでの間に空間もあるので、つっぱり棒などを利用すれば、ルーフ空間も活用できる。

悪路走破性については、ESPによるトラクションコントロールの他、ブレーキLSD、ステアリングダンパー、副変速機方式のパートタイム4WDなど、新技術からジムニー伝統の技術まであるが、ここでは、ラダーフレームについて取り上げたい。

初代からのラダーフレーム採用は、クロスオーバーSUVや乗用車ベースの4WDとは一線を画す、本格4WDたる所以だ。4代目では、素材にハイテン鋼を採用し、軽量化と剛性アップを実現している。なお、ジムニーとシエラでは、エンジン排気量、ボディサイズ、重量などに違いはあるが、フレームは共通だ。

ミッションマウントがあったセンターメンバーは、パイプをX字に組んだメンバーに交換され、さらにエンジン下、リアエンドにクロスメンバーが追加されている。追加メンバーによりねじれ剛性が、従来型より1.5倍アップしている。3リンクリジットアクスルとともに、岩場、うねりや深いディッチでも、安定した走行が可能だ。

シフトレバーはメンバー(1点)とミッションケース(2点)で固定され、振動を抑える設計となっている(先代はミッションケースのみで4点)。エンジン・ミッションマウントは3点(内1点はXメンバー)。これを強化マウントにすれば(乗り心地は多少犠牲になるが)エンジンレスポンスとシフトフィーリングが向上しそうだ。

ボディマウントはフレームに8か所取り付けられている。ゴムの形状を工夫することで、縦方向はやわらかく、横方向は固く動くようにしている。走破性と乗り心地を両立させるためだ。フレームの剛性アップとともに、高速道路や舗装のワインディングで安定感が違ってくる。

新型ジムニーおよびジムニーシエラは、先代のラダーフレーム構造や副変速機方式パートタイム4WDなど、エッセンスは引き継いでいるが、サイズ、形状などは新設計だ。また、サスペンションなども基本構造は変わっていないが、取り付け位置、ジオメトリは変わっている。

したがって、残念ながら先代のチューニングパーツで流用できるものは少ない。現状で正確な判断は難しいが、新型の特徴を最大限に生かすには、専用パーツによるチューニングがベストだろう。
初代NA系ロードスターの“聖地”。ノーマルにこだわるならキスモ…

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 40アルファードの静粛性が一変!調音施工で快適性が飛躍的に向上
  2. トヨタ『スターレット』復活! 2026年デビューか?
  3. トヨタ カムリ 新型、全車ハイブリッドに…今春米国発売
  4. 【ホンダ N-BOX 新型試乗】アイデアの詰まった使い勝手はまさに「ニッポンの国民車」だ…中村孝仁
  5. シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
  6. レゴ ブロック初心者再び! セナが愛用した「マクラーレン MP4/4」を組み立ててみたら感激した
  7. 【クルマら部】クルマ愛クイズ!今回は「F1」から全4問!
  8. ジムニー愛好者必見! ベルサスVV25MXが切り拓く新たなカスタムトレンドPR
  9. レクサス『GX』通常販売は今秋に、先行して100台を抽選販売へ 価格は1235万円
  10. [15秒でわかる]トヨタ『4ランナー』新型…オフロード仕様のTRDプロを設定
ランキングをもっと見る