【スズキ ジムニーシエラ 新型試乗】軽ジムニーへのアドバンテージは見た目以上にある…島崎七生人

試乗記 国産車
スズキ ジムニーシエラ JC・4AT
スズキ ジムニーシエラ JC・4AT 全 9 枚 拡大写真

軽の『ジムニー』とともに小型車枠の『ジムニーシエラ』もフルモデルチェンジされたのはご承知のとおり。“シエラ”と名付けられたのは2代目の時だが、このネーミングよりも先に、当初は排気量1リットルでスタートを切ったのがこのシリーズの始まりだった。

新型では排気量が1.5リットルに拡大され、この新開発の縦置きエンジンを搭載するのが特徴だ。エンジン型式を“K15B型”といい、最新設計のNAエンジンらしく、WLTCモードでも燃費はATで13.6km/リットルと、軽(13.2km/リットル=AT)に遜色ない数値をカタログに載せる。ユニット自体も従来の1.3リットル(M13A型)に対し14.3kgもの軽量化を果たしたといい、開口部の少ないベルトカバー、低速トルクを確保したフライホイールなど、オフローダーに適したディテールも特徴だ。

今回は短時間のオンロード試乗となったが、ターボでパワーを補う軽に対し、新設計のNAらしい、ATとの組み合わせでも素直で伸びやかな加速とパワー感が実感できた。走行中のキャビンに伝わる音・振動の小ささは軽以上で快適性も高い。中央と前後にクロスメンバーが追加されたラダーフレームにより、走行中のボディ骨格のしっかり感も味わえる。

さらにトレッドが従来モデルに対し前後とも40mm拡大され、軽に対しては130mmも幅広い点は、大きなアドバンテージとなる。今回もやや荒れた舗装路でのローリング(頭が左右に揺さぶられる動き)が軽より明らかに小さいことが実感できた。当然、ボディが傾くオフロードでの安定性もより高いはずだ。

タイヤサイズは軽が175/80R16 91Sなのに対し、扁平率は同じ80として幅広く小径の195/80R15 96Sを履く。最低地上高は軽+5mmの210mmを確保する。

外観はワイド化された前後バンパーとフェンダーアーチ、サイドスカート部が専用デザイン。とはいえ軽に対しいかにも差別した風ではなく、さり気ないドレスアップに留め、大人のセンスでまとめている点がいい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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