【ダイハツ ミラトコット 試乗】これなら許す!(超上から目線)…岩貞るみこ

試乗記 国産車
ダイハツ ミラトコット
ダイハツ ミラトコット 全 8 枚 拡大写真

パワステの手ごたえはメーカーによって趣向が異なる。同じ軽自動車でもダイハツはスズキより全体的に重めで、安定感のある落ち着きのある操作感をよしとしている。

これはこれでいいし、私も好きなのだけれど、腕力&握力のない女性のなかには駐車が苦手な人もいて、駐車のときにハンドルを何度も切り返す→重めのパワステはつらい→駐車したくない→運転したくない→クルマ苦手→クルマ嫌い!となりがちだ。えーっ、クルマを嫌いにならないで!と、ダイハツの女性チームが立ち上がり、男性技術者に物申す!と、まとめたのが今回の『ミラトコット』のパワステである。

これがとても使いやすい。まさにどんぴしゃ。かよわい私の(反論不可)腕力にはぴったりで、ハンドルをぐるぐる回せて自由自在、駐車がとてもしやすいのである。このように低速では軽いものの、40km/hくらいになるとじわっと重さが出てきて、カーブを曲がるときは安定する。怖いと感じさせないように、うまくまとめているなあと感心しきりである。
ダイハツ ミラトコット
まあ、欲を言えば、直線を走っているときにもう少しだけ手ごたえがあるといいなと思わないでもないけれど、女性の場合は、駐車して走ってのちょこちょこ乗り(このクルマの場合は、トコトコ乗りと書くべきか)が多いので、駐車時重視の考え方には賛成である。

『ミライース』と基本的に同じシートポジションというけれど、天井が高く、フロントウィンドーとAピラー(窓枠)が立っているので、間口が広くて乗り降りがしやすい。しかも、フロントウィンドーが立っているおかげで、運転席から見たときに鼻先がどこまであるのかつかみやすく、こちらも駐車のしやすさに貢献している。

でも、私の一番の押しポイントはドラポジのとりやすさである。軽自動車は国が定める衝突安全試験が悪影響し、シート位置に対してハンドルが遠くてまともなドラポジがとれないものがほとんどなのだが、ミライースもこのミラトコットも、創意工夫と努力でもってかなりのハイレベルで解決している。これなら許す!(超上から目線)

このハンドル~ペダル~シートの位置関係が軽自動車全体のスタンダードになり、さらに使いやすくなることを切に願っている。
ダイハツ ミラトコット
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 【スバル レヴォーグレイバック 新型試乗】「アウトバック」以来、30年にわたる挑戦の成果…諸星陽一
  2. ルノー『キャプチャー』新型、4月4日デビューへ
  3. メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
  4. ホンダ『フリード』次期型予想に注目! ボディ拡大? デザインは?…土曜ニュースランキング
  5. シトロエンが新型SUVクーペ『バサルト・ビジョン』を発表 南米で2024年内に発売へ
  6. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  7. 東京E-Prix 市街地コースは臨海都心に準備…フォーミュラE[写真32枚]
  8. 【メルセデスベンツ Eクラス 新型試乗】SUV全盛の今に、果たしてどのような人が選ぶのだろう?…河村康彦
  9. 日産『エルグランド』一部仕様変更、安全装備を強化
  10. ボルボカーズ、ディーゼル車の生産を終了…2030年にEVメーカーへ
ランキングをもっと見る