もはやタイヤの数は関係ない…旋回が楽しい、それがヤマハのモビリティ

モーターサイクル 新型車
ナイケン発表・説明会
ナイケン発表・説明会 全 26 枚 拡大写真

シティコミューターの『トリシティ/155』に続き、大排気量スポーツモデルにも独自のLMWテクノロジーを導入し、『NIKEN(ナイケン)』を国内リリースするヤマハ。もはや2輪であるとか、3輪、4輪などとタイヤの数にはこだわらない姿勢を感じずにはいられない。

発表会を開いた都内の会場には、小型四輪モビリティ『MWC-4』(参考出展)の姿もあった。4輪ながらこれもまたLMWテクノロジーが用いられ、リーンして曲がる。マシンと乗り手が一体感を感じて、コーナリングする爽快感が得られる。ヤマハは4輪であっても、モーターサイクルの醍醐味である人機一体で走る楽しさや、官能的なフィーリングの追求を決して忘れないのだ。


◆リーンしないとヤマハじゃない…!?

そして電動モビリティ『TRITOWN(トリタウン)』(参考出展)、これにもまたLMWテクノロジーが使われているから驚く。キックボードのように立って乗り、フロントに2輪、リア1輪としたスリーホイーラー。足で地面を蹴って漕がなくても電動バッテリーで動き、カラダを傾けることで進行方向をコントロールする。

ここでわかってきたのが、ヤマハはタイヤの数とは関係なく、曲がるときに車体を傾ける乗り物をとにかく作りたいのだ。それはナイケンのプロジェクトリーダー鈴木貴博氏が言っていた「うち(ヤマハ発動機)は旋回性が何よりも大事で、バイクを開発するときもまずコーナリング性能はどうなのかって点を重要視するんです」という言葉に集約されている気がする。


◆すべては深いバンク角のために!!

だから新登場のナイケンも、鈴木氏は「スポーツバイクに匹敵する旋回性」と、曲がる性能の高さに自信を見せる。バンク角を45度と深く設定し、外側片持ちサスペンション、2軸ステアリング機構を新たに採用した。

外側片持ちサスペンションは、深くリーンしても左右輪を支えるフロントフォークが互いに干渉し合わないようにするため。2軸ステアリング機構は、通常通りステアリング軸にハンドルをマウントすると、深くリーンしたときにフロントフォークのアッパー部がハンドルに当たってしまうため、リンクロッドを介してハンドル軸をライダー寄りに後退させている。

気持ちよく曲がるために、あらゆる手を尽くし、努力を惜しまないヤマハ。そこにはモーターサイクルで培った技術と経験があり、エンジニアたちがモーターサイクルの素晴らしさを熟知しているからこそ成り立つ。2輪メーカーのヤマハが、いよいよ本腰を入れて3輪や4輪分野に進出してきた。ワクワクせずには、いられないのである。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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