日立製作所、日立ビルシステム、アイホン、フルタイムシステムの4社は9月28日、配送ロボットを活用したマンション内宅配システムの共同開発を開始した。
近年、EC市場の拡大などに伴い、宅配物の配送量は右肩上がりとなっており、再配達の増加による配達員不足や配送車両によるCO2排出増加が社会問題にもなっている。マンションでは、再配達を削減する手段として宅配ボックスが普及しているが、宅配ボックス内の荷物が満杯になったり、居住者がエントランス付近の宅配ボックスから自宅まで重い荷物を運ぶことが負担になるケースが発生している。
このような背景のもと、配送ロボットを活用したマンション内の宅配サービスの実現に向けて、エレベーターとマンション向けITシステムを手掛ける日立および日立ビルシステム、インターホンシステム大手のアイホン、宅配ボックス大手のフルタイムシステムの4社は、配送ロボットを活用したマンション内宅配システムの共同開発を開始した。
今回のシステムは、エントランス付近に設置する専用の受付・保管システム付フルタイムロッカー(宅配ボックス)と、配送ロボットで構成。宅配業者が受付ユニットに荷物を預け入れると、保管ユニットに収納され、一時保管する。着荷情報は居住者のスマートフォンに専用アプリで通知し、住戸内インターホンの画面にも表示。居住者がインターホンから配達依頼を出すと、荷物をフルタイムロッカーから取り出し、配送ロボットが館内を移動して玄関前まで届け、インターホンを呼び出す。
共同開発では、フルタイムシステムが受付ユニットおよび居住者用アプリ、アイホンが住戸内インターホンでの表示・呼び出し機能、日立および日立ビルシステムが配送ロボットの制御システムを担当。配送ロボットについては、工場向けなどで実用化されている製品を活用する予定だ。
4社は今後、システムの実現に必要な技術開発や検証を推進し、2021年度のサービス化をめざし、新築マンション向けに提案を行っていく。