『ジムニー』で感激したあとに試乗したのが、『ジムニーシエラ』である。ジムニーの試乗記を読んでいない人は、まずそちらを読んでから、これを読んでいただきたい。
◆岩貞るみこのジムニー試乗記 https://response.jp/article/2018/10/06/314779.html
ボディはいっしょで四人乗り。けれど、エンジンは1.5リットルのノンターボを搭載した乗用車、つまりナンバープレートは白である。ただ、軽自動車のボディサイズ基準を気にする必要がないため、タイヤ部分には、黒い樹脂のオーバーフェンダーが装着されている。これが、デザイン的にはSUV感を演出していていいのだけれど、実際にはちょっと使いにくい。
なにが使いにくいって、車庫入れのときだ。ジムニーのよさは、とりまわしのしやすい四角く切り立ったボディだというのに、シエラになるとこのフェンダーがあるために、まっすぐ後退しにくいわ、横に壁がある駐車スペースなどではぶつけそうになるわで、散々な思いをするのである。私の運転技術の未熟さゆえではあるものの、車庫入れに自信のない人には、軽自動車のジムニーをお勧めさせていただきたい。
とはいえ、シエラの場合は、乗り心地が圧倒的にいい。タイヤのサイズがジムニーより1インチ小さくて、路面のコツコツを伝えにくいうえ、サスペンション関係も、乗用車のシエラならではのソフトタッチに仕上げられていて、ゆったり気持ちよく乗ることができるのは事実なのだ。
ジムニーとシエラ、似たような見た目だけれど、キャラは完全に分けられている。ゆったりシエラか、ぎんぎんのジムニーか。ぜひ、迷っていただきたい。私なら、ジムニーだけどね。
スズキ ジムニーシエラ 新型■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。