富士経済は、車載ディスプレイの世界市場を調査し、結果を「2018車載ディスプレイ／HMIと構成部材市場の将来展望」にまとめた。
調査では、車載システムやディスプレイ、操作インターフェイス、ディスプレイ部材などの市場調査・分析に加え、次世代表示技術やディスプレイメーカー、タッチパネルメーカーの動向なども調べた。
2018年車載ディスプレイ市場は前年比12.4％増の4808億円が見込まれ、市場の95％以上をLCDやOLED（平面・四角形状のディスプレイ）が占めると予想。2022年には2017年比68％増の7184億円に拡大すると予測、曲面ディスプレイや異形ディスプレイの拡大などによって平面・四角形状のディスプレイの比率は84％に低下する見通し。
LCDは日本でのカーナビゲーションシステム、欧米でのディスプレイオーディオなどの搭載率の高さや、中国でのアフターマーケットにおけるカーナビゲーションシステム、ディスプレイオーディオなどの普及によって拡大しており、2018年は4589億円が見込まれる。大手ディスプレイメーカーは自動車メーカーとの直接取引や高機能・高付加価値品の展開でシェアを維持している。
一方で、中国メーカーが小型ディスプレイにおいて安価な製品の拡販を進めており、急激にシェアを拡大させている。LCDはコストダウン要求が根強いことから、今後は緩やかな拡大が予想されるものの、先進運転支援システム（ADAS）の普及に伴って運転情報などの表示機器としてCID（センターインフォメーションディスプレイ）など比較的大型なディスプレイの需要が増加するとみられ、2022年には5925億円と予測。
曲面ディスプレイはCID、異形ディスプレイはメーターを主用途に12～15インチの大画面向けで採用される見られる。2018年の曲面ディスプレイ市場は92億円を予想、2022年には新たなメーカーの参入もあって600億円となる見通し。異形ディスプレイは、現状の高級車に限る需要からミドルクラスモデルへの採用が進み、2018年が85億円見通しだった市場は、2022年に536億円になると予想する。